第90章 今年のクリスマスは… 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
疑似行為では根本的には満たされない様で…
ゴロンっとこっちに背中を向けていた身体を
杏寿郎が寝返りを打って 仰向けになると
「頭では、理解は出来てるんだがな…。
それが自分の所為だって事も、
自分が双方の合意でそうしたんだって事もな」
杏寿郎の隣で寝転んでいたみくりが
ごろんと寝がえりを打って うつぶせになると
ベッドの上に頬杖をついて ふりふりと足を揺する
「こら、みくり。
うつ伏せはダメだろう?」
「今は、赤ちゃんすっごい小さいんでしょ?
今はお腹は全然だけど。
この先お腹が目立って来て大きくなって来たら。
うつ伏せになれないんだったら、
今の内になっておかないと…ッ。
ねぇ、杏寿郎がさ…出来なくても…
いいからって言ってたんだよ?違った?」
それっぽい事に拘り過ぎたのか
裸で抱き合うだけでもいいからと
彼女に言った事もすっかり
こっちも忘れてしまって居た様だった
コミュニケーションと言うよりも
性的に求めすぎてしまってた…か
それもこれもあの奥さんが
身体のラインを強調する様な
あのニットワンピースを着てたのが悪い様な?
「あのなぁ、奥さん。
それは俺のせいだけじゃないぞ?」
「え?何が?」
「奥さんが、あんなえっちな感じの
ニットワンピを着たりするから、
こっちだってえっちな事のひとつやふたつも
したくなっても当然じゃないのか?」
ぱちぱちとみくりが
驚いた様にして大きな目を
更に大きく見開いて瞬きをすると
「えーー?じゃあ、やっぱり旦那さんの
所為なんじゃない?だって、私は
私にニットワンピ着て欲しいって
私に言ったの、杏寿郎じゃんか」
そう言ってむぅ~っと頬を
フグみたいにして膨らませているから
その顔を見ていると俺が考えている事なんて
酷く馬鹿馬鹿しい様なそんな悩みだなって
急に思えて来て ふっ…と杏寿郎が
目を伏せながら息を吐きだすと
「なぁ、奥さん」
「何?杏寿郎…」
「すっかり、忘れてしまってたんだがな」
みくりの鎖骨の間に輝いている
ティファニーのダイヤモンドのネックレスの
ペンダントトップの部分をちょんちょんと
杏寿郎が指で指して来て
場所が場所だからそのダイヤモンドを
杏寿郎が指さしてるのは見えないけど
感覚で分かる
「これがどうしたの?
杏寿郎がくれたやつだよ?」