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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第21章 惣菜屋さんと煉獄さん 後編 お相手:煉獄杏寿郎


自分の手に取っていた
みくりの手を杏寿郎が
自分の頬に重ねるとギュッと握った

「でも…そのっ」

「俺が貴方をどうするのか、
貴方のその目で、確かめておけばいい。
俺は…、あの男とは違う。
貴方を蔑ろにしたりはしない。それを、
貴方に確かめて頂きたいのだが……?」


蔑ろに…しないと言う

彼の言葉が 胸に刺さる

蔑ろと言う言葉が
私が夫にされて来た扱いに

とても良く 当て嵌まってしまうから


「忘れてしまえばいい、全て…。
すぐに無理だと言う事は、承知している。
だから……何年掛かろうとも構わない。
あんな男の事は、忘れてしまえばいい!」

杏寿郎さんの言葉から
自分の中に感情が流れ込んで来るようだ

私の夫に対する 激しいまでの

憤りの感情と

情動にも似た 

色々な感情が入り乱れた物

その言葉は
余裕なんて物が無いほどの
焦りにも満ちていると言うのに……


それなのに

それなのに


重ねられる唇はどうしようもなく


堪らなく 優しいのだ


「俺の事だけを…見ていればいい」

「杏寿郎…さんっ、…っ」

角度を変えて何度も唇を貪られる

息が……上手く 出来ない

彼の感情の波に 飲み込まれて

しまいそう……

息を継ぎたくて
少しだけ開いた
唇と唇の間から

杏寿郎が舌をそっと
滑り込ませてくる

その存在を確かめるかのように
そっと舌で舌に触れられて

ゾワゾワとした感覚が
背筋を抜けて行って

触れている舌の部分から
甘い痺れが生まれる


「………っ、…んっ、ふ」

「目を…閉じないで、頂きたい……」


そう言われて促されたままに
閉じていた瞼を開くと

彼と目が合ってしまった

フッと彼の目元が綻んで


ああ そうか そうだったんだと

気が付いて しまったんだ

きっと私が 今までして来た


行為だと思って居た物は


大凡 そうと 

呼べる物とは 程遠い物だったのだと


気が付かされてしまった


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