第87章 世界で一番僕の姉さん お相手:若干逆ハー気味 現パロ
「ねぇ、むいくん。
今日の晩御飯は何食べたい?」
駅から自宅へと向かう帰り道で
みくりが自分の隣に居る
無一郎にそう声を掛けると
「そうだなぁ、僕は何でも…」
「何でもはダーメ、ハンバーグにする?
それとも、オムライス?カレーが良い?」
「ハンバーグでもいいし、
オムライスでもカレーでもいいよ。
僕は、みくり姉さんが作る物なら
なんだって、美味しいから…」
バシバシとみくりが無一郎の背中を
身体をくねらせながら叩いて来て
「んもぉ~、むいくんったら。
お姉ちゃん、嬉しい。じゃあ、今夜は
ハンバーグ乗せのオムライスカレーね?
それからぁ~、デザートはお姉ちゃん
特製のプリン付けちゃうッ」
「本当?わぁ、嬉しいなぁ。
僕、みくり姉さんの作るプリンが
世界で一番、美味しいって思ってるんだ」
そう言ってニコッと無一郎が笑って
何?この笑顔っ エンジェルスマイルっ
この笑顔の為に私…頑張れるって思っちゃう
途中にある スーパーに寄って
今日の晩御飯の買い物を一緒にする
『いらっしゃいませ~ェっと、
どこの誰かと思ってたら、何だよ。
時透の所の姉と弟じゃねぇかよ…。
なんだァ、姉弟仲良く買い物かァ?』
この白髪頭のぶっきらぼうな
スーパーの店員は不死川さんと言う
前に買い物に来た時に高い所の物が
取れなかったりした時に助けてくれた店員さんで
私が同じクラスのある子に
鞄の中に商品を勝手に入れられて
万引きの犯人にされそうになった時に
私が犯人じゃないって言ってくれた人でもある
うちの学校の生徒がここのスーパーで
万引きをしてるからって目を付けられて居ると
学校でも注意を促されて
その犯人に仕立て上げられそうに
なって居たんだけど…
私がその濡れ衣を着せる相手に選ばれ理由は…
ぽんっと大きな手が頭の上に乗って
そのままガシガシと頭を撫でられる
『姉ちゃんが、んな、しょぼくれた顔
してんじゃねェよ。弟が心配すんだろ?
これ、やっから元気だせェ。お前と
あの、不愛想な弟の分なァ』
そう言って手の上に会計の済んでいる
スーパーの名前の入ったシールが付いた
チュッパチャップスを2本乗せられて
仕事に戻って行った不死川さんの背中を
ジィ―――ッと無一郎が見ていて
「飴ちゃん、貰っちゃったね。どっちがいい?」