第80章 そうだ、和歌山へ行こう! 中編 お相手煉獄杏寿郎 現パロ
「嚙んでくれないのか?みくり」
「噛みませんっ、噛まないからね?
そんな顔で見ても、噛まないからっ」
「ダメなのか?」
そう言ってしゅんっと
眉尻を下げながらこちらを見て来るから
こっちが悪い事をしている気分になってしまう
言われてる事は 噛んでくれ なのだけども
そんな残念そうな顔をされてしまっては
自分の中の良心が痛むのは確かだが
こっちとしてもそれは受け入れがたいので
それを望んでいる杏寿郎には悪いとは思うけど
「兎に角、私は噛まないし、
杏寿郎も噛んじゃダメなのっ」
「だったら、みくり。噛むのがダメなら、
キスマークなら良いだろう?」
愛咬をして欲しいという申し出を
こっちが断わるとキスマークを
自分の身体に私に残して欲しいと言って来て
噛むのを断わった手前もあって
杏寿郎のその申し出を受け入れた
ベッドの頭元にの高めの枕を重ねて
杏寿郎がそれに持たれ掛かると
「さぁ、みくり。
どこにでも、好きな場所に
好きなだけ付けてくれていいぞ?」
そうは 言ってはくれるが
こっちから相手に自分の所有物だと
自己主張する様な趣味は
元々私には無いんだけどなぁ~
そうしないと
杏寿郎は許してくれ無さそうだし
噛むよりはましと言い聞かせて
チュウッと杏寿郎の胸板に
自分の手を添えて
唇をすぼめて吸い付くと
赤い内出血痕が残る
「みくり。
もっと、そうしてくれていいぞ?」
そう杏寿郎に促されて
ひとつ またひとつと
胸板に跡を残して行って
「もっと上にも、残してくれないか?」
胸の上の方の鎖骨の近くに
ちゅうっと吸い付いて跡を残した
求められるままにそうするのを
みくりが繰り返して居ると
「さて、そろそろ、俺からも君に
このお返しをしたんだがな?どうだろうか」
交代だと言いたげに
杏寿郎に肩を掴まれて
ベッドの上に身体を倒されてしまって
下から杏寿郎を見上げる
このお返しと言うのだから
キスマークを私の身体に残すと言う意味で
「ああ、さっきの話の続きなんだけどな?
愛咬の跡は、昼間に世間様に
見せつけるべきらしいぞ?」
「やっ、ダメッ、見せつけないからっ。
杏寿郎は…こっちがダメって言ってるのに。
見える場所にばっかり跡付けたがるでしょ?」