第78章 ピックアップ御礼 秋と言えば…? お相手:煉獄さん現代パロ
みくりが清水さんの所と言ってるのは
県内の中条市にある みくりの
第二の実家である幼少期から思春期を
過ごした場所にある釣り堀の事だ
前に春に筍を堀に行った時に
山女魚の刺身を頂いたのは
この清水さんの所ではなくて
みくりの母親の実家の近くの
持留さんと言う人が経営している
管理釣り場での話だったが
その時にニジマスとアマゴでやってる
釣り堀もあると言っていたな
杏寿郎がみくりの手から
リモコンを奪い取ると
「あんっ、ちょ、やだっ。
何するのッ?杏寿郎。
見てたのにぃ~ッ、動画~」
「いや、もう、これはいいだろう?
もう、10回は観ただろう?
正直、俺は、この動画は見飽きた。
観るなら、最新の動画にすればいいだろう?
ほら、これを観よう、丁度
新着の動画だぞ?それもみくり
君の好きな川魚の鮎の動画だ」
そう言って 観ていた鱒の養殖場の
動画から最新の鮎の動画に切り替える
「鮎?何で鮎?鮎は夏の魚でしょ?
前に、夏の鮎の動画してたの観たよ」
そう不満そうにしながら
鮎の動画なら前に観たと訴えて来て
「前の動画とは、違うから
動画にしてるんだろうが、ほら、観る」
「まぁ、気まぐれクックも
鮎も好きだから観るけどさ」
俺がその動画を再生すると
みくりが画面を食い入る様に見て
ピタッと動きを止めると
バッとその場で慌てた様子で
急に立ち上がって
部屋の壁に掛けてある
カレンダーの日付を確認すると
「わあぁあっ!ってぇ、そうか、
普通の鮎じゃないじゃんっ。
今ッ、10月じゃん、大変ッ!!
私とした事がっ、抜かってたじゃんかっ」
そう言ってスマートフォンを
バッと手に取ると
その場で電話を掛け始めて
「みくり?動画、観ないのか?」
「動画は後、すっかり忘れてた。
前に持留さんに言われてた事ッ。
8月になったら、一番に
予約しようって思ってたのにぃ~」
そう言ってコールをしてる
電話を耳に当てつつ
俺に好きな動画を観ていいよと言って
電話をしに部屋の隅に行ってしまって
俺も大概声が大きい方だが
興奮状態のみくりも
声が大きくなるタイプなので
会話は割とここに居ても聞き取れる
「うん、そうなのっ、
違うんだってば、それはまだだけど。
うん、だから、持留のおじちゃんにね…」