第76章 ふたり 一人独り 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「ああ、これはある人に借りました。
無線とか趣味の方の様なので。
そう言ったご趣味の方も、
同僚に居ると、役に立つ事もあるのですね」
隣に座っているカナヲから
不快そうな匂いがして来て
「あの…もしかして、前田さん…?」
「そうです、ゲス眼鏡の前田さんです。
ゲスにはゲスで、丁度いいですよ~。
ちょうどいいのが、あると
超小型の盗撮向けの
カメラも貸してくださいました。」
それ 前田さん
普通に犯罪者じゃないかな?
そんな疑問を炭治郎が持ったのは事実で
イヤホンが拾って来る会話に
聞き耳を立てる
「河田さん、そろそろ…お話を
お聞きしたいのですが?」
「うーん、まだ、話せないかな?
そんなに飲んでないでしょ?
それに、もっと、いい感じのお店
予約してるからさ、そっち行こうよ」
すぐにでも切り出して来るのかと
思ってたのに 全然話して来ないし
予約してる2軒目の店に移動しようと言って来て
ここから歩いて行けるからと言われて
店を出ると
河田が少しアルコールが入って
機嫌が良くなったのか
みくりの腰に手を回して来て
その様子を伊之助と善逸が
暗視カメラを使って撮影をしていて
「ねぇねぇ、伊之助っ。
これってさ、何か、俺達さ
興信所みたいじゃない?浮気の素行調査」
そう小声ながらに興奮気味に
善逸が伊之助に話をして来て
前は不死川さん達が居た頃は
うちの部署内で撮影もしてたらしくて
器材はあるのは知ってたから
使える様にとは言われてたけど
こんな事に使われるとは思ってなかったよね
ってあの2人が向かってる店って
「え?もしかして、あそこ?
あそこはマズいよ、俺達入れないじゃん」
「痛ってぇな、引っ張んじゃねぇ紋逸。
入れねぇってどう言う事だよ?
ドアから入ればいいだろうがよッ」
「はーい、到着」
「あの、ここって…その…」
煌びやかな店構えのその店は
所謂会員制のクラブで
会員とその会員の同伴者しか入れない場所だ
「だって、お話するんだったらさ。
ゆっくりと、二人だけの方がいいよね?」
ニコッと笑顔を河田がこちらに向けて来て
「じゃあ、行こうか?みくりちゃん」
みくりの肩を抱いて
後ろの物陰に隠れている
こちらの方を河田が見ると
小馬鹿にした様な笑顔を浮かべて
そのまま店の中に消えて行った