第76章 ふたり 一人独り 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「先輩ちょっと、先に
行って置いて貰えませんか?」
そう木崎を先に玄関に向かわせて
ポケットからスマートフォンをだして
みくりにコールする
数回コールをした後に
みくりが電話に出て
『杏寿郎?どうしたの?
大丈夫だよ?心配して掛けてくれたの?』
「みくり。俺からも
君に話しておきたい事があるんだ」
そう杏寿郎が話を切り出して来て
どうしても私が河田さんと
店に入ってしまう前に
電話をして置きたかったと言って来て
『怒らないで、そのまま
俺の話を聞いて貰いたいんだが…』
杏寿郎は今から
博多の支社の研修の担当者である
博多の壇蜜と一緒に会社の外で
会う約束をして居ると言って来て
「ねぇ、杏寿郎…、その色々と
説明が欲しい感じなんだけど?
研修の担当者の女性と、
一緒に飲みに行くって事でいいの?
木崎先輩も一緒なんでしょ?
仕事の付き合いなんでしょ、だったら…」
報告なんてしなくても
こっちだって何も言わないのに
博多の壇蜜と言う
インパクトの強いキーワードだけが
私の頭に刷り込まれていて
「ごめ~ん、待ってくれてたんだ。
そんなに、楽しみにしてくれてたの?」
こっちの姿を見つけたからか
話をしていた受付嬢に手を振って
小走りになりながら河田がこちらに
近付いて来る
そして ピットリと横につく
距離に位置を取って来るから
許可してないのに 距離を
詰めて来るのは 付き合う前の
杏寿郎もそんな感じだったけど
兎に角 不快感しか 感じない
『…ーーー…?…ーー』
「もしかして、ご主人と電話してた?
ああ、そうなんだ。仲直りは出来たの?」
スッと河田がみくりの手から
スマートフォンを取ると
通話を終了してしまって
「はい、スマホ。電話、切っといたよ」
こっちに差し出された
自分のスマートフォン河田の手から受け取る
「で、ご主人は何を言ってたの?
初日の研修は無事に済んだって報告?」
「主人は、あっちの研修の
担当者と一緒に飲みに行くそうです。
何でも、えっと…あちらの担当の方の
お名前を聞けてないのですが…
主人は、博多の壇蜜…と言ってました」
みくりの言葉に
一瞬いつもヘラヘラといやらしい
笑顔をしている河田の表情が鋭くなって
「教えて欲しい?
博多の壇蜜ちゃんの事?」