第75章 ふたり 一人独り 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
宇髄先輩から 訊いた話を思い出す
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宇髄に呼び出されたのは
住宅地の間にある
小さな人気のない公園で
『どうしたんですか?突然、ってか
日本に居たんですね、先輩』
こっちに缶コーヒを宇髄が
投げてよこして来てキャッチすると
宇髄が座ってるベンチの隣に腰を下ろした
『なぁ、煉獄。みくりちゃんとはさ
今も上手い事やってんの?』
『それは、上手い事やってますけども。
何があったんです?突然呼び出したりなんて。
それも、こんな場所にとか』
『煉獄、お前…。成瀬さんに会うんだろ?』
一瞬驚いて言葉が出なかった
俺と成瀬さんが会う約束をしてるのは
俺と当人である成瀬さんしか知らない事だからだ
『いや、その前に、お前、黒瀬とは
今も連絡取れんのか?』
その口から 黒瀬の名前が出て来て
違和感を覚えた
黒瀬は宇髄先輩の記憶に残る様なタイプじゃない
地味で目立たない感じの
ネットとかパソコンとかに詳しい
オタクとか言うタイプのキャラだから
高校が一緒だったから話をしてて
大学ではバーベキューに
黒瀬からずっと誘われてたが
『いえ、黒瀬とは、大学の時だけで…、
卒業してからは全然付き合いは無いですが。
それより、成瀬さんの事…どうして…』
『俺に、篠田をマークしとけって
あの時言って来たのは、あの人なんだつーの』
大学時代の一件を
世間から隠してもみ消したのは
恐らくに彼だろう
『煉獄さ、スーフリ事件って知ってる感じ?』
スーフリ事件
スーパーフリー事件の略で
早稲田大学で1998年から2003年の間に
実際に起きていた集団の組織的な
大規模な輪姦事件ではあるが
『あの事件が、明るみに出てからさ。
日本全国で同じ様な事件が起こった訳よ。
模倣犯ってやつね』
『あの事件に見習う様な要素なんて…、何も』
宇髄と話をしながら
例のスーパーフリー事件の概要を
纏めてあるサイトの記事に目を通す
嫌悪感しか抱かない様な内容だな
女子高生のコンクリ事件並みに胸糞が悪い
どうにもザワザワと落ち着かないで
今のタイミングでこの人が
無駄な話なんてしてくるはずがない
宇髄先輩はそんな人なのは俺も良く知ってる
今 このタイミングで
それを自分の口から 俺に言うと言う事は
『で、煉獄…、お前はさ…』