第73章 残りの結婚休暇の使い方 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「…―――ッ、ああ、分かった
言えばいいんだろう、言えばっ」
いつもなら こっちが言わされる方なのに
こんな杏寿郎が見れるのも
珍しいなって思ってしまって
何だかちょっぴり 可愛いなって思ってしまう
「さ、寂しい…に、決まってるだろ?」
そう困った様な顔をしながら
あの眉を下げてそう言って来るから
私の旦那さん 可愛すぎるっ
「杏寿郎ッ…」
ガバッと隣の杏寿郎に抱きついて
そのまま椅子の上に倒れると
「随分と、朝から奥さんは大胆なんだな」
「のっ、濃厚接触とか…しとく?」
杏寿郎が視線を上に上げると
そこには青空と森が見えていて
「こんな爽やかな朝で、開放的なのにか?」
そう言いながら腰と背中を撫でて来るから
「ちゅーするだけだけど?」
「濃厚なやつか?」
「しません、普通のです」
普通のキスだろうが
深い濃厚なキスだろうが
濃厚接触には違いないけど
そう言ってキスしたって
その内 濃厚な方になるんだろうけど…
この旦那さんだからね
そのまま椅子の上で
抱き締められたままで
よしよしと背中を撫でられる
「来て良かった…な、浜名湖」
「うん、ありがとうね?杏寿郎」
「今度は、来るとしたら6月だな。
車エビ1000匹掬いたいからな」
そう次の話を杏寿郎がして来て
一瞬 来年の6月を想像してしまったが
「来年は無理かも知れないが…な。
遅い時間だから、子供には難しいだろうしな」
「何年後かな?」
「さぁな?でも、また来よう…な」
「うん、そうだね。杏寿郎」
彼の胸にもたれ掛ったままで
そっと瞼を閉じる
次に浜名湖に来る時…を
想像してしまいたくなってしまった
そんな 浜名湖での最後の朝だった
「また、来たいね。浜名湖。
その時はロープウェイにも乗りたいな」
「ああ、そうだな」
今度の時は
賑やかな浜名湖旅行になりそうだな
ってそんな事を考えていた
残りの結婚休暇の使い方
ー 終 ー