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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第17章 夏の空の落とし物 前編 お相手:竈門炭治郎



「でも、嬉しいな。
こうして炭治郎と話が出来て」


スルッと美空が俺の腕に
自分の腕を絡めて来て
ぎゅっと縋りついてくる

スンスンと鼻に意識を集中させて
美空の匂いを注意して嗅いでみても

彼女からする 匂いは

俺に対する 好意の種類は
恋慕のような感情ではなくて

きっと この子は

本当の意味での恋と言うのを
知らないままに死んでしまったんだなぁと

炭治郎にも感じ取る事が出来て

それは きっと 淋しくて
悲しい事なのかもしれないと

そうも 思ってしまって居た

きっと これは
俺の中の 彼女への

美空への感情は

若くして亡くなった彼女への
可哀想だと言う…

同情……と 言う物なのだろう



2人で参道に並ぶ
屋台を見て回っては
かき氷やたこ焼きを食べたり
射的をしたりして遊んだ

だけど 本当なら

俺の隣に居るのは 美空ではなくて

みくりさんだったはず

本当なら… 今頃は……


身体から美空が離れたからか
肩の重いのも無くなって
体調も元に戻りつつあった

俺は身体の調子は良くなったけども
美空がみくりさんの身体に入ってるのだから

当然 憑りつかれていた俺よりも
負担になっているんじゃないかって

みくりさんは大丈夫なのだろうか?


「炭治郎。どうしたの?考え事?
ダメだよ~、炭治郎。
美空が隣に居るんだから、
ちゃんと、美空の炭治郎で居てくれないと」


そう言っている彼女と
目が合っているようで合ってなくて

きっと彼女は
あの時声を掛けた俺に

自分の理想の王子様を重ねて
恋に恋をしてるだけなんだって

俺にも それは分かるから


虚しい 遊びだと そう思えてしまって


彼女には 悪いとは思うが
早く みくりさんの身体から

離れて貰いたい

「うん、ああ、悪かった。
美空はこれからどうしたいんだ?
何か、食べたい物とか、あるのか?」

「えっとねぇ、美空は~」
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