第69章 なつのおはなし ※裏なし掌編 お相手:色々
いつもの時間のいつもの電車
今は夏休み中だから
いつもの時間の電車も
学校のある時期なら
座る場所なんてないが
空いていて隣との間隔も空けて
座れるぐらいで最寄りの駅から
キメツ高校のある駅までの5駅間
友人である宇髄と不死川とLINEをしながら
電車に揺られる
不死川の知り合いが車を出してくれるらしいから
海にでも行かないかってそんな話になって居て
水着美人と一夏の恋でも始めね?とかと
宇髄がいつも通りな発言をして居て
今は海に向かう車内らしいが
来なくて良かったのか?と
2人から心配そうなLINEが来ていた
今は教師にも夏休みをと言う時代の流れで
熱中症対策もあって
夏休みの間の部活動も日数が減ってるから
こうして青春を満喫する時間が
俺達にはあるって事で…
俺が登校日でもない学校に
何故向かっているかと言うと
ある教科の個別夏季補習を受ける為だ
センター試験の対策に
個別指導を希望する生徒に対して
個別指導も対応してくれるらしいが
あくまで それは個別指導であって
俺が今日から5日間受ける
補習とは別の物だ
個別指導室と書かれた
普通の教室よりも狭い部屋には
机が5つだけ配置されている
元々教室として利用していた部屋ではないので
ホワイトボードが置かれていて
その前に教卓が置かれている
その教卓の隣に置かれた椅子に
足を組んで座っている
一人の教師の姿があり
「おはよう、煉獄。時間10分前だな」
膝の上に置いて仕事をしていたのか
ノートパソコンを閉じると
「すいません、先生。俺ひとりの為に」
期末試験で赤点を取った生徒に対する
夏季補習なのだが
夏季補習をしたくなかった私は
どう考えても赤点が取れない様に
授業中も大分にテストに出す場所は
生徒達に伝えて居たから
それも煉獄の赤点には疑問しか無くて
彼はどちらかと言うと成績は
どの教科も優秀でトップクラスなのにだ
この夏季補習は…彼の学力をどうこうと言うより
彼の悩み相談を受けて来なさいと
学年主任から言われている
それ位に 煉獄杏寿郎の赤点は
あり得ない事だったからだ
「気にするな。これも仕事だ。
煉獄、体調でも悪いのか?珍しいなあんな点数」
同日の試験の他の教科も赤点なら
体調不良だろうが…
その日の試験の5教科の中で…