第68章 7月のある週末の話 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「その…、杏寿郎が
それを、経験してみたいって言うなら…ッ」
みくりは頬を赤く染めながら
自分の口元を押さえつつ
そう遠慮しがちに言って来て
その仕草が可愛らしいと
ちょっと思ってしまっていたのだが
ちょっと待て みくりは
何を言おうとしてるんだ?
「するばっかりじゃなくて、される方側ね。
経験したいのかなぁって。思ったんだけど」
????
「あ、でもすぐには出来ないよね?きっと…」
話が全く見えないんだが?
ちらっとこちらに向けて来た視線の奥に
普段の彼女が見せない色が隠れてるのが
一瞬見えた気がして
ぞくっと背筋が凍る様なそんな気がした
「待て、待ってくれ。みくり。
俺にはその世界は未知の世界過ぎるし、
君はそう言うタイプじゃないだろう?」
え?違うのとでも言いたげに
キョトンとして小首を傾げて来るが
そんな可愛らし顔をして
脳内がとんでもない思想になってるからな
「え?自分がそうされる方も
経験してみたいって意味じゃないの?
何かあったよ、スマホのえっちな
漫画の広告でそんなの。
凄い責め責めな彼女さんのやつ…」
「あの2人もあそこまでは辿り着いてないと
俺は思うがな?君は俺をどこへ連れて行く気だ?
それを喜ぶのは、M男位だろう?
それに色々とそこに行く前に飛ばし過ぎだし。
俺は、そんな趣味は無いからな?」
じぃーーーっと杏寿郎の顔を
みくりが疑いの目で見ていて
「そんな目で見ないでくれないか?
俺は普通で十分だ…が、その…
興味がある…のか?そっち…に」
「ないよ?ある訳ないじゃん。
杏寿郎も偶には、される方が
良いのかなって思っただけだよ。
そうだよね、杏寿郎はSだもんね。
する方がいいよね?お風呂入る?」
そう言って椅子に杏寿郎を残して
お湯張りをしに行ってしまって
その背中を見送ったのだが
時々…責めたいスイッチが入る時があるが
お湯張りに行って戻って来た彼女は
ふわふわとした空気を纏った
いつも通りのみくりでしか無くて
その後一緒に風呂に入ったが
体を洗い終わて
一緒に湯船に浸かりながら
後ろからギュッと彼女の身体を抱きしめる
「いつもの君だな、良かった」
「??杏寿郎?どうかしたの?」
「いや、どうもしない…、しない」
「変な杏寿郎…」