第66章 あるカップルの週末 お相手:不死川実弥 現代パロ
「如何でしょうか?
ウエディングドレス、ご試着できますが?
当、ホテルの人気のドレス、3着より
お選び頂けますが?チャペル内で
イメージご覧になられますか?」
ウエディングドレスの試着も
出来るブライダルフェアはあるが
じっとみくりが
不死川の方を見て来て
「待ってる、行って来い」
しっしと追い払うようにしながら
不死川が言って来て
遠慮なく甘える事にした
「うん、行って来るね?」
「ああ」
ドレス試着なんて時間かかるのかと
思って居ると すぐに戻って来た
ヘアセットやメイクをする訳でもなく
自分の下着の上から着るだけなので
イメージが湧く様にと
ブーケとベールも貸して貰ったらしく
立派な花嫁さんになって戻って来た
「凄く、お似合いですね」
隣居た方のスタッフがそう
不死川に声を掛けて来て
照れくさくなってしまって
適当に濁した返事をしてしまった
その白と水の青のチャペルに
こっちこっちと嬉しそうにしながら
みくりが入って行って
「ねぇねぇ、イメージ見たいから
写真撮って?不死川さん」
そう強請る様に言われてしまって
ズボンのポケットから
スマートフォンを出すと
撮って撮ってと言っている
みくりのドレス姿を
カメラに数枚収めた
「悪くねェ」
ぼそっとそう言うと
ふふふっみくりが
嬉しそうに笑っていて
「似合ってる?」
「まぁな」
「可愛い?」
「…、まぁ…な」
そう言いながらそっぽを向いて
視線を逸らされてしまって
ちょっと耳薄っすらと赤くなってたから
照れちゃってるのかなと思うと
不死川さんのこう言う所は
可愛いよなぁって思ちゃう
「…っ、笑うんじゃねェ、バカがァ」
「ええ?だって、可愛いからっ
不死川さん、可愛いもん」
「…ーーーーいい」
何かを小さな声で不死川が言って来て
何だったのかなと首を傾げていると
「バッカ、お前っ、一回で聞き取れェ。
お前の方が、可愛いつった…。
いや、言うな。俺ァ何も言わねェぞォ。
もう、言ったかんなァ」
「…………」
言うなと言ったからなのか
みくりが黙り込んで
「デレた?」
「デレるかァ!」
「えー?」
「えー、じゃねェ。悪ィかよ?」
「ううん、悪くない。逆にいいっ。
不死川さんっ、好きッ」