第66章 あるカップルの週末 お相手:不死川実弥 現代パロ
模擬挙式までの間は
そのリモートで参加する
来客を少人数にするために
小会場2か所で 大きなモニターで
その様子を中継するのだと
そのテーブルのセットがされた
宴会場の中で
ブライダルの担当スタッフから説明を受ける
希望者はチャペルの外から
その模擬挙式の配信を見学出来て
こちらの会場からも
その様子がどう見えるのかを見られるらしい
貸出して貰ったタブレット端末からは
会場に来れない来客が家や
職場から参加する際の映像の
参考にして頂けたらと言う話で
「これだったら、お前んちの
じいちゃんも参加できるんじゃねぇのか?」
タブレットを無言で見つめている
みくりに不死川が声を掛ける
自分がおじいちゃんにもと
考えていたのを見透かした様で
「うん、そうしたい。
不死川さんは、いい?」
「俺は、どこでもいいつったろ?
お前がしてぇ所選べェ」
最初は非協力的なのかと思ったけど
その言い方を聞いてると
私が したい結婚式に
合わせてくれるって意味だったんだなって
そう感じ取ることが出来て
「じいちゃんも、かわいい孫の
花嫁姿見てぇだろうしな」
そう言いながらこちらに
不死川が普段見せない様な
笑顔を向けて来るから
思わず その笑顔に釘付けになていて
「どしたァ?俺が、
男前過ぎて見惚れたかァ?」
「不死川さんは、いつもイケメン。
でも、今は、ちょー恰好良かった」
へへへとみくりが
嬉しそうに笑うから
よしよしといつもの癖で
みくりの頭をナデナデしていて
恥ずかしそうにしながら
みくりが俺の顔を見上げて来て
「不死川さん、ここお外だよ?」
「あー。そうだった、悪ィ」
梅雨時だったから
雨だったらホテル内のチャペルの予定の
模擬挙式も 爽やかな晴天で
みくりが候補に挙げている
その外にある 海の上のチャペル
とは言っても 海水を引き込んでるだけで
海の上に浮いてる訳ではないのだが
正面には 神南港タワーが見えていて
海の波を模した
白い 波型の日除けが
チャペルへと続くスペースにあって
正面から見ると 真四角の建物は
外から見ると 長方形の
ガラスの塊の様に見える
その外観もかなり目立つが
普段は閉じているチャペルのドアを
スタッフが左右から開くと