第66章 あるカップルの週末 お相手:不死川実弥 現代パロ
『…ーーーろ』
何だろう 声聞こえる
誰?今日はお休みだよ?
もうちょっと寝たい…よ
ゆさゆさと身体を揺すぶられる
沈んでいた みくりの意識が
少しずつ浮かび上がって来て
薄っすらと重たい瞼を開いた
「んあ。起きたか?
お前が起こせっつったんだろ?
さっさと、起きろォ」
ぼんやりとしながら
上から覗き込んでる顔を見ると
自分の恋人である
不死川 実弥の顔が見える
ああ 私の彼氏さんは
今日も朝から男前だなと
みくりがぼんやりと考えながら
うとうと…とまた眠りに戻ってしまって
「バッカ、お前ッ、寝てんじゃねェよ!
起こして貰っといて、寝んな。アホたれ」
そう今度はさっきよりも
大分雑な起こされ方をして
うう゛ーーーーんと
地の底から響く様な
そんな声を出しながら
もぞもぞとベットの中で
みくりが身じろぐのを
不死川は見ていて
コイツ 毎度ながらに
低血圧でかなり 寝起きが悪い
「起きねぇと、チューすんぞォ?
良いのかァ?」
「…して」
シーツの山から声が聞こえて来て
「目、そしたら醒めるかも…?」
もうしっかり返事してるクセにと
不死川も思いながらに
そのシーツの塊の端を捲ると
中に隠れていた
みくりがこちらに手を伸ばして来るから
「起きてんじゃねぇかよ。んじゃ
チューはしなくていいよなぁ?」
「やだぁ、ダメ。
寝る、チューしてくれないと寝るッ」
どうにも俺の彼女様は
朝から我が儘な様だ
まぁ 俺から見ても みくりは
ふわふわとして可愛い
お嬢様みたいな見た目してるから
今までのコイツの彼氏も
コイツの親も
蝶や花やと可愛がって育てて
こんな 我が儘娘に育ったのかも知れねぇが
「寝てる、寝てるから私」
「わぁった、わぁった」
甘やかしてはダメだとは
俺も思っちゃあ居るんだが
どうにも 可愛いので
ついついに甘やかしてしまっていて
不死川がみくりの頬に
チュっとおはようのキスをすると
「そこだけ…?ここには?なしなの?」
そう言ってキスを
唇にも強請られてしまえば
こっちだって 朝から
キスだけでは当然…済まなくなる訳で
「いいのかァ?みくり。
んなトコに、チューしちまったらよ。
朝から、やらしい事、する事になんぞぉ?」