第64章 例えばこんな結婚式を 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
結婚式の後に泊まるのに
ピッタリの部屋と杏寿郎が
形容した様に
ドアのロックを外して
杏寿郎がドアを開くと
中に入る様にドアを押さえて促して来て
「さぁ、中へどうぞ。奥様」
「…お邪魔…します…ッ」
ドアの奥には 一面の大きな窓から
海沿いの夜景が見えていて
角部屋だからL字型に窓が続いているから
その臨海地区の海沿いの景色が一望出来て
このエリアのランドマークの
赤と白の神南港タワーに
杏寿郎がかまぼこホテルと称した
オリエンタルハーバーパークホテルが
目の前に見えていて
その奥の方には
このエリアの隣のエリアの
人工島にある神南空港へと繋がる橋が見える
「杏寿郎ッ!!」
「これは、凄いな。
神南港の夜景が2人占めだな!」
「凄い、素敵…この後寝るのが
勿体ない位。旦那さん、ありがとうね?」
「ん?別に俺は何もしてないぞ?
このプロジェクト自体はうちの
会社が打ち出してるんじゃなくて、
このエリアの企業同士が提携して
打ち出してるプロジェクトだからな」
そう言いながらスタスタと部屋の奥の
このホテルの客室で唯一
この部屋だけに備え付けられている
オーシャンビューテラスに続く
ガラスのドアを開くと
「この部屋で俺がした事は、
これぐらいだがな」
そう言うと テラスに出る様に促して来て
テラスに備え付けてある
ラタンチェアとテーブルのセットに
冷えたシャンパンと
グラスが用意してあるのが見えた
「用意したって、このシャンパンの事?」
それもシャンパンが冷えている氷も
溶け切っている訳で無くて
私達がここの来る直前に
部屋に置かれたのだと分かった
「ささやかな、昨日の打ち上げを
ふたりでしようかと思ってな」
ハーフボトルの丁度いいサイズの
シャンパンの瓶を持ち上げながら
杏寿郎がこちらに向けて来て
「飲むだろう?」
そう言いながら
差し出されたグラスを受け取ると
栓を抜いた瓶から
グラスにシャンパンを注いでくれて
「ありがと。ねぇ、杏寿郎」
「ん?何だ?みくり」
先に乾杯をしようと言いたげに
杏寿郎がグラスを差し出して来たので
それに合わせる様に チンとグラスを鳴らす
グラスの中のシャンパンに
港町の夜景の光を映しとると
そのグラスを傾けた
「この夜景と、シャンパンがご褒美?」