第61章 呼びたい男と呼ばない女 お相手:宇髄天元 現パロ
そうだった すっかり 忘れてたっ
ここ 普通に 外だったわ
んな 土曜日の昼日中に
海沿いのプロムナードで
キスなんぞそりゃ しようとすりゃあ
『こらっ!ののちゃん、見ちゃダメッ。
すいませんねぇ~、若いっていいわぁ』
「こ、こちらこそ、すいませんでしたっ」
そのまま その場所から
そそくさと逃げる様にして
アンブレラアーチのある
商業施設の所に戻って来て
商業施設に併設されている
観覧車がある海沿いの
小さな遊園地のエリアに辿り着いた
小さいながらに
2階建てのメリーゴーランドがあって
子供だましの名ばかりのトロッコ型の
ジェットコースターのレールが
商業施設を取り囲む様に走っている
一部 建物の中を通る場所もあったっけ?
小さなお化け屋敷にマイナス20度の世界を
体験できる部屋もあった気がする
「あ。あれ、
パンチングマシーンあるじゃん」
遊園地のエリアの端の方の一角に
小さな射的やストラックアウト等
お金を払って遊ぶようなエリアがあり
その並びにあった
パンチングマシーンを宇髄が指さした
「何?どうしたの?」
「忍者が居ます」
そう言ってみくりが
遊園地のイメージとは不釣り合いな
忍者の恰好をした人が歩いているのを見つけて
「え?忍者いんの?どこどこ?
って、マジ、忍者じゃん、コスプレ?」
「多分、あそこの手裏剣コーナーの
お店の人じゃないですかね?」
手裏剣とクナイと吹き矢が
それぞれのブースで体験できるらしくて
「せっかくだし、やってく?」
その忍者の恰好をした人に声を掛けて
ずっしりと重たい 手裏剣を
畳に固定してある的に向けて投げるのだが
「意外と、手裏剣って重たいんですね」
「そーお?そうでもねぇけどな」
その後 宇髄さんが 手裏剣を投げて
的のど真ん中にそれが刺さって
「おっ、当たった。ヤバくない?
俺、もしかして、前世忍者だったんじゃね?」
そう本人が言っている通りに
肩に全然変な力も入ってなくて
それでいてフォームも自然で
狙いも的確だったから
その場にいた忍者も
私も驚きを隠せずに
彼が手裏剣を投げるのを
無言で見ていて
こうして 宇髄さんが手裏剣を
投げるのを見てると
本当に忍者なんじゃないかって
目の前の忍者の恰好の人よりも