第59章 2人のハネムーンは… 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「偶然だな。みくり。
俺も、こんな事をしたのは
生まれてこの方、
初めての経験だからな。
なぁ、ついでなんだ…。
初めてついでに、もうひとつ…」
みくりの脇の下に
杏寿郎が手を差し入れて来て
そのまま 持ち上げられて
プールサイドに座らせられる
「ついでに、何をするの?」
「君には、そうした経験はあるのか?」
「やっ…、流石にプールじゃ…
最後…までは…ッ、ちょっと…」
それも ナイトプールとかなら
まだしも 昼日中のお日様が高い時間の
プールでなんて そんな…ッ
杏寿郎が プールに浮かんでいた
大輪の赤いバラを1輪その手に取ると
グイっとその花の根元の首の部分を
引っ張ってもぎ取ると
赤いバラの花が 花びらの姿になって
プールの水面を 青から赤へ変えて行く
「花のままも良いが、こうするのも
悪く無いと思うがな?」
そう言って 近くに浮かんでいた
別の新しい花を手の平で掬い取って
杏寿郎が その赤いバラに鼻を近付けると
上質のベルベットの様な
その花びらに唇を寄せて
ペロ…と 舌を 赤い花びらの上に
滑らせて這わせて行く
舌の先で 硬く閉じた
その幾重にも重なる
バラの花びらを間を
分け入る様にして 舌を進めて
自分の… 中心の
花びらを彼の舌にかき分けられるのを
その光景に重ねてしまっていて
「…ねぇ、杏寿郎…ッ」
その杏寿郎の仕草に
ただならぬ色気を感じてしまう
期待してしまう
その花びらにそうするようにして
そうされたい…って
自分の口から その言葉がついて
出て来そうになるのを
ゴクッと唾液と共に飲み込んだ
「俺の身体に、足…絡めてくれるか?」
そう言いながらも
杏寿郎が 今持っている方のバラも
花びらの姿へと変えてしまって
水面を 赤い花びらが満たして行く
青い小さな世界を
真っ赤な世界に塗り替えていくかの様に
「みくり」
下から杏寿郎が見上げて来て
彼に応じる様にして
みくりが身体を屈めると
杏寿郎の唇に 自分の唇を重ねようとした時に
ピトッと唇に何かを張り付けられてしまって
それが 一枚の赤いバラの花びらだと知った
その花びらを一枚隔てたままに
彼が唇を重ねて来て
その花びら毎 唇を押し付けられる