第58章 今年の彼の誕生日は…後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「見た事無いのか?」
「私の地元が、海から
離れてるのは知ってるでしょ?」
「俺も、見た事がないな、
画像でなら、あるが…楽しみだな」
幻想的な海の散歩から戻ると
画像のデータは後日ヴィラの方へ
また届けてくれるらしいので
マリンショップを後にすると
丁度 こちらのリゾートホテルの中の
周回送迎をしている10人ほど乗れる
車が目の前に停まって
「あっちの方、行かれますか?」
そう言って運転手が 岬の先にある
ホテルの方を指差して尋ねて来た
「ええ、丁度そっちに行く所だったんです」
プシュ―っとドアが開いて
座席より上が
剥き出しになって居る
バスと言うよりは
大型のゴルフカートの方が近い
そのカートに乗り込んだ
「ねぇ、杏寿郎」
泊まるヴィラとは反対方向だし
こっちのリゾートホテルに
何か用事があるのだろうか?
「あのヴィラには、
レストランは1つしか無いが。
こっちには5つ、
あっちのリゾートホテルには
6つ、レストランがあるからな。
宿泊客は、3つのホテルの
好きなホテルで、食事を摂れるんだ」
「それは、素敵なサービス。
連泊して問題になりがちな、
食事の場所を変えられるっていいね。
グループ内でも送迎してくれるし
アルコールも楽しめるね」
「夜の海は、真っ暗だろう?」
もうすっかり日が落ちて 海の方は
真っ暗になってしまってるから
「そりゃそうだよ、
夜の海で煌々と明るいのは
イカ釣り漁船とかじゃないの?」
「だから、ここがいいと思ってな。
ここは先に押さえてたんだがな」
その杏寿郎の言葉にドキッとしてしまう
えっと じゃあ
杏寿郎はどこに泊まるかって
検討してる段階から
今から行くレストランは前もって
予約してくれてた…って事??だよね?
「ああ、安心してくれていいぞ?
ちゃんと、個室の予約をしてあるからな」
「う、うん、ありがとう…」
「お客さん、到着しましたよ」
「ああ。ありがとうございますっ」
「ありがとうございました」
運転手に声を掛けられて
目の前に噴水が流れている
岬のリゾートホテルの前に着いた
大きな花瓶にシルバーのスプレーで
塗られた枝が生花と一緒に
どーんと豪快に生けてあって
ホテルのロビーのエントランスにも
柱の様になった
大きな正方形の水槽があって