第56章 今年の彼の誕生日は… 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
ジンジンと疼く
みくりにはつられた
頬を杏寿郎が押さえながら
展望デッキを後にする
「みくり、待ってくれ」
少し前を歩いているみくりは
こっちを振り向こうとしないし
「なぁ、みくり。
俺がふざけすぎたから、怒ってるんだろう?」
そう 問いかけるも返事を返さずに
スタスタと歩いて行ってしまう
「杏寿郎…」
そう小さな声でみくりが言って
その足を止めた
「みくり。俺が悪かった。
その、君が…その、
あまりにも…可愛いらしかったからつい」
「杏寿郎…はさ、私がその…」
ガシッと杏寿郎が両肩を掴んで来て
「みくり。今、それを
ここで、言うのはダメだ。
目的地を変更したいなら、別だが。
君の口からそれを言われてしまえば。
俺の堪えはあってない様な物になるからな。
文句も、今言いたいその気持ちの事も
後で、幾らでも聞くから。今は、
折角の新婚旅行を楽しもう」
そう言って そのまま
逃げる様にしてサービスエリアを後にすると
島を南へと更に高速を進んで行く
このまま 南水無瀬まで向かうのかな?
「ねぇ、杏寿郎どこ行くの?」
「みなみなアウトドアリゾートだが?」
南 水無瀬 の水無でみなみな
みなみなアウトドアリゾートは
キャンプとかフィッシングとか
SAPとかFIBとかマリンスポーツと
キャンプを同時に楽しめる所だけど
そこの 最大のウリは海の生け簀で
イルカと触れあえるのがウリだけど…
「ねぇ、まさか、杏寿郎。
水着持参って言ってたのって」
「リゾートぽいだろ?
イルカと泳いでみたくないか?
予約の時間があるからな、
遅れる訳には行かないんだ、残念だがな。
ウエットスーツ着れば、海には入れるからな」
確かに南国のリゾートアイランドぽい
イルカと泳ぐ…か
県内に出来る場所あるのは
知っては居たけど
しようと思った事無かったな…
もしかして 私が沖縄とか
モルディブ行きたいって言ってたからかな?
だから リゾートぽい事が
出来る様にって選んでくれたのかな?
「イルカと泳いだこと…、無いかも」
「そうか、なら良かった。
俺も、無いからな!
まさか県内で、イルカと泳げるとは
知らなくてな、どこへ行こうかって
島のHP見てたら出て来たんだ」