第56章 今年の彼の誕生日は… 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
2022年 5月9日
うちの会社は10連休で
明日の5月10日から
結婚休暇を4日申請してるから
実質に今週は
今日だけしか働かないんだよなぁって
私がそれに気が付いたのは昨日の事で
そうなんだよなぁ その辺りは
流石 杏寿郎と言うか
いや 私がちゃんとカレンダーを
見て無かっただけなんだけどさぁ
13日まで休んだら
週末だからそのまま休みじゃんか
お手洗いをすませて
手を洗って 鏡で前髪を整える
「よっ、元気してる?
部署違うから。中々会わないよね?」
トンと後ろから肩を叩かれて
振り返るとそこには
前まで同じ部署だった先輩が立って居て
「えっと、もう煉獄さんなの?
それとも、まだ
小野寺ちゃんの方だっけ?」
「東野先輩、今日はギリギリまだ
小野寺のままの方です、でも
それも、今日が最後…なんですけど」
「おおっ、明日かぁ~。
いいじゃんいいじゃん、新婚さんかぁ。
ああ、私も、結婚したい~」
「先輩、ご結婚されてましたよね?」
「あっ、噂をしてればあっち、
旦那さんじゃないの?」
そう言って 東野が指さした方向を見ると
そこには杏寿郎の姿があって
「さっき、君の部署に見に行ったら、
姿が無かったからな。みくり。
急で悪いが、今から打ち合わせに
君も同席してくれないか?
先方が多忙でな、
今日しか時間が作れないらしくてな」
そう慌てた様子で杏寿郎が私を
呼びに来たのだが
何が何だか私にはさっぱりだ
杏寿郎と私は部署が違うし
杏寿郎がクライアントと打ち合わせをするのに
どうして 私が同席する必要があるのかと
疑問しか出て来ないのだが…
「あちらを、お待たせしてるんだ。
今すぐ、このまま来てくれ。
君の部署にも話は朝に通してあるから」
え?そうなの?話通してあるの?
私 聞いてないんだけどな係長
何にも言ってなかったけどもな あの人
「何だか、良く分からないけど。
行ってらっしゃい~」
そう東野に見送られて
杏寿郎に連れて来られたのは
小会議室で
コンコンと杏寿郎がドアをノックすると
中からは女性の声が返って来て
ガチャとその10人以下の会議用の
小さな会議室のドアを開くと
中には一人の若い女性が居て
「すいません、お待たせしてしまいまして」
『いえ、大丈夫ですから』