第55章 今年の黄金週間は　お相手：煉獄杏寿郎　現パロ　裏なし

「流氷と言えばさ、
水族館の人気者にクリオネって
居るでしょ？あれは、殻のない
貝の仲間だって知ってる？
ハダカカメガイって名前の貝の
一種なんだってさ。スーパーに
クリオネ売ってる事あるらしいね」

「クリオネは、スーパーなのか？
買ってどうするんだ？飼うのか？」

「冷蔵庫に入れとくんだよ。
普通にネット通販で売ってるよ？
クリオネ。高くないし買うか
悩んでたんだけどね。
でも、ずっと冷蔵庫入れてるだけ
だったら、飼ってるって言うのかなって」

グイっとグラスの中の
青いビールを杏寿郎が飲み干すと
サッポロ黒ラベルを開けて
グラスに注いで行く

「で、欲しいのか？クリオネ」

「うーん、そこまでは要らないかな？
ああ、クリオネも、食べられるよ。
美味しくはないみたいだけどね」

「どうみても、
水臭さそうな見た目だが？
クラゲみたいな味なんじゃないのか？
飲むか？黒ラベル」

そう促されて残ってた
流氷ドラフトを飲み干すと
空になったグラスに
新しいビールを杏寿郎が注いでくれて

ゴクゴクと喉を鳴らして飲んでいる
杏寿郎を見ながらみくりが
グラスのビールに口を付けると

「ビールの味がするっ」

「はははは。やはり、
ピルスナーの苦味は苦手なままなんだな。
なら、梅酒入れるだろう？この前の残りの
梅酒が冷蔵庫にあるだろう。取って来る」

色々とビールは飲む様になったけど
やっぱり　この苦味が苦いと
感じるままで　梅酒をちょっと入れたら
普通に飲めるから　試して
無理そうなビールは最初は普通に飲んで
残った分はこうして飲む様にしてる

「ほら、梅酒。取って来たぞ」

「ありがとう、杏寿郎」

グラスのビールに余裕を持たせると
その分の梅酒をグラスに注いだ

ビール８に梅酒を２加えるだけで
あのビールの独特の苦みと
香りが梅酒の後ろに隠れるから不思議だ

みくりが梅酒割りのビールを
飲んでいるのを杏寿郎が見ていて

「ん？どうかしたの？杏寿郎」

「いや、それだけの少量の
梅酒を入れただけで、平気に
なるんだなと思ってな」

それまで　ちびちびだったのを
ゴクゴクと飲めるようになるレベルの
ビールの味変なのだろうが

「もうね、これはね、梅酒なんだよ。
梅酒って、結構甘いでしょ？で、甘さが
気になるから、割るでしょ？割るとさ
薄くなるじゃない？」