第53章 春と言えば…? 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
俺が一緒に あそこのネモフィラを
見たいと言っていたのを
みくりは気に掛けてくれていた様で
今の時間から戻っても
今日は間に合わあないだろうから
そう言って来たのだろうが…
「そ、それは、そうなんだけど…」
「今日で無いと、ネモフィラが
見れない訳じゃないだろう?
それに今年がダメでも、
来年でもいいんだ。
今の君とあそこに
行きたい理由が俺にはあるからな」
「ねぇ、今度の休みに観に行こうよ?
杏寿郎。あそこの、
大学の時に行ったネモフィラの所」
あの時の私は…
杏寿郎に 全く興味無かったし
声が大きくて
勢いが凄い沢山食べる人…ぐらいにしか
思ってなかったしな ぶっちゃけ
次の休日には 一緒に
ネモフィラを観に行こう……
春と言えば…?
昨日 杏寿郎と一緒に見た ネモフィラの青と
数年前に 彼と見た
ネモフィラの 青の記憶が 重なる…
「それに、今日は、その分
いい物が見れたからな。
結婚式の前撮りの予行演習でも
したと思って、感謝してる位だ」
「あの、髪型…、
凄い似合ってたよ?
あのモーニングも!」
「俺が、男前過ぎて驚いたか?」
「ふふ、杏寿郎は
男前だから、何着ても似合うよ。
凄い、カッコ良かったもん。
私の、未来の旦那さん…
素敵過ぎだった…なぁ~って」
「成瀬さんとやらに頼んで、
今日の画像のデータこっちに
焼いて送って貰ったらどうだ?
かなりの枚数、撮影しただろう?」
ちょっと聞いてみると
みくりがスマートフォンの
LINEを起動して
そのまま固まっていたので
「みくり?どうかしたのか?」
「ううん、いや、杏寿郎と
成瀬さんって、考える事とか
似てるのかなって。
丁度、成瀬さんの方から
画像データをこっちに
送ろうかってさLINE来てたんだけど?」
あのネモフィラをイメージした
水色と青のドレスは… 彼女に似合っていて
昨日のあのネモフィラの一面の青よりも
今日のあの青の方が
冴え冴えとして見ていて
春と言えば…?
筍も 椎茸も ヤマメも…
どれも悪く無かったが
一番はやっぱり 俺の隣の人かも知れない
そんな事を杏寿郎は
ハンドルを握りながら考えていた
春と言えば…?
ー終ー