第49章 3度目のホワイトデーは 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「とりあえず、コレを履けばいいのね」
「俺の、白の下着の話は無視か?」
「どうせ、あれでしょ?
白の清楚さの中に、それに反する
セクシーランジェリーの持つ
エロスが加わってとかなんとかでしょ?」
聞きたくもないと呆れながらに
言いたい事を代弁されてしまって
「浴衣の下は、これだけで頼む」
「上は?」
「上は要らない、浴衣だからな。
浴衣の良さを最大限に楽しむのなら
上は要らない」
「でも、濡髪の方が
それっぽいんじゃないの?」
芯が濡れている髪よりも
水滴が滴る方が
それらしい気がするけど
「濡れるだろう?布団が…
それは頂けない。夏場ならいいが。
風邪を引いても…ならんからな」
「まぁ、杏寿郎が、嬉しそうだから。
私はそれでいいけどもさ」
すっかり 真っ暗になっていて
海しかない場所だから
邪魔するような建物も明かりもなくて
露天風呂からは 満天の星空が
望むことが出来て
「海を貸し切りも良かったけど、
この星空を貸し切りにするのもいいね。
まぁ、杏寿郎は浴衣の事しか
考えてないかも知れないけどもさ」
「君は偶に俺に、失礼だぞ?
まぁ、否定はしないがな。洗えたら
一緒にここから眺めよう」
頭も顔も洗って化粧を落とすと
杏寿郎しか
知らないありのままの姿になる
じっと後ろから
視線を感じて振り返る
「見てた?とか?もしかして…だけど」
「ああ。見てたな。俺の
みくりは、綺麗だなと思ってな」
「…っ、綺麗…とか…普段は…」
「ああ。そうだな、すっかり
慣れ親しみ過ぎて、
言わなくなってしまっていたなと。
俺の中で、君がそれだけ当たり前に
なっていると言う証拠でもあるが…。
今夜は、俺が尽くす…と言う話だしな。
みくり。おいで、こっちに来るといい」
杏寿郎が陶器の湯船の中から
自分の方へ来る様に促して来て
その中に納まると
身体を引き寄せられて
ジッとその彼の赤い瞳に見つめられる
「俺は、普段の化粧してる君より
素顔の方が…、好きなんだがな。
しなくても、いいんじゃないのか?」
「成人してるんだし、働いてるんだから、
マナーとして…はね?しておかないと。
でも、いいでしょ?杏寿郎だけしか
この顔は見れないんだから…」
「特別か?」
「そうだよ、杏寿郎だけね」