第49章 3度目のホワイトデーは 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「合ってるよ」
「ん?」
「正解だって言ってるの、それで」
「そうか。なら…、
これ位以上の事もあるまい」
君の世界が俺で
俺の世界が君なら
「その、みくり。
…今の君は…、幸せ…か?」
「幸せ…だよ」
「こうして、日が沈んでしまえば
海しか見えないから何も見えないかと
そう思って居たが…。
海しか無くて、周りに何もないから
見える物もあるか……」
「そうだね、きっと綺麗だよ。
周りに遮る物もないし。
無駄な明かりも無いから。
沢山…、見えると思うよ?星も」
「そろそろ。上がるか?みくり
その内、夕飯の準備に来るだろうし、
裸のままとも行かないだろうからな。
夕食の後にゆっくり、また入ろう」
露天風呂から上がって
備え付けてあった浴衣に着替える
浴衣着た時に気が付いたんだけど
この部屋って和洋室だし
定員って2名だと思うんだけど
あの和室になってる小上がりは
食事と寛ぐ場所ぽいから
押し入れもないし布団があって
定員が4名の部屋…って感じでもない
浴衣…サイズ違いなら分かるけど
同じサイズの浴衣
2着用意してあったんだけど
この部屋は2名定員だし
何か違和感を感じるんだけどな
各サイズがあるならわかるけど
ちゃんと私のサイズだし…
「みくり。浴衣眺めて
いつまで裸のままで居るつもりだ?
身体が冷えるぞ」
「ああ、うん、着るけど。
あの、どうかした?杏寿郎。
そんなに見られてたら、着にくい」
「あ、ああ、そうだな。すまない」
違和感の様な物を感じつつ
備え付けのホテルの名前入りの
浴衣に袖を通して
えんじ色に白のラインの入った
丹前帯を締める
「いいな」
「何が?」
「後は、髪をひとつに纏めて
後ろで纏めてあげたら完璧だな」
そうして欲しいと…期待されてる?
まぁ いいけど…
きっちりと纏めていた髪を解いて
ゴム1本だけでできる
ざっくりとした纏め方にして
後ろでひとつに簡単に纏め上げると
「こういう事?これでいいの?」
「後は、これだな」
そう言って えんじ色の
浴衣の上に着る羽織を渡されて
良く分からないままに
それを上から羽織ると
「温泉に泊まりに来た感が、
一気に増すな!」
「え?でも、ここに泊ってる
宿泊客の人、みんなこの恰好してるのに?」