第47章 ユガミノクニ お相手:煉獄杏寿郎+α
ひとつ また ひとつと
私は彼に 何かを許して
受け入れる度に
少しずつ 少しずつ
マトモじゃなくなって行って
少しずつ 歪んで行くの
ユガミノクニ
その歪みの名前は
彼も私も知らない何か…
ドアチェーンを外して
玄関のドアをガチャっと開いて
部屋の前で待っていた
宇髄と不死川に声を掛ける
「すいません、お待たせしてしまいました。
杏寿郎さんの方に、確認が取れましたので。
お入り下さい。まだ時間がしばらく
掛りそうだと言っていたので。
お待たせしてしまいますが…」
「ああ、いいっていいって。
えっと、みくりちゃんだっけ?
煉獄が戻るまで、
俺らと話しでもするでしょ?」
2人をリビングに案内して
コーヒーを淹れる用意をし始めた
「すいません、ドリップに
時間が掛かるので、お待ち頂いても?」
「ああ、適当にお構いなく」
みくりがそう言うと
不死川が気は遣わなくていいと
言いたげにそう言って来た
何度かここには来てるようで
2人はこの部屋に馴染んでいた
「みくりちゃんはさ、
煉獄とは付き合ってどれぐらい?
煉獄の今までの彼女の話、聞いた?」
「アイツ、ちょっと変わってるだろ?
だから、大体ひと月も持たねぇけど。
イキナリ同棲って言われて、
驚いたんじゃねぇの?アンタも」
みくりが深めの大皿に
ペーパーナプキンを敷いて
その上に個包装になった
お菓子を適当に盛り合せて行くと
2人の前にどうぞと言って置いた
「いえ、私は付き合う前から一緒に
生活していたので…特には」
みくりからの返答に
不死川が目を丸くさせて居て
「あん?ってぇと?」
言葉の続きを促して来たので
「家に戻りたくなくて、
ふらふらしてたんですが、その
訳があって、自分で部屋を借りたりも…
出来なくて、困っていた物でして…」
「えっとぉ、みくりちゃんの
お家がちょっと複雑って事?」
「行く当てがあった訳じゃないので、
拾って貰って助かりました」
そう言えば…大分前に
落ちてたから拾って一緒に寝てるって
言ってたっけ 煉獄のやつ
犬か猫でも拾ったのかと思ったがよォ
人…拾ってやがったのか アイツ
「そ、だからなの?」
そう宇髄がみくりに質問して来て