第47章 ユガミノクニ お相手:煉獄杏寿郎+α
外に出るのは俺の方…
と言う杏寿郎の言葉が既に
この先へのヒントのひとつで
普通の遠隔操作の出来る代物に比べて
遠いんじゃないのって位の
遠隔操作が出来る物を
わざわざ用意した理由も
この先へのヒントのひとつだったんだ
「みくり、こっちだ」
そう言って杏寿郎が手招きをしていて
普段は使って居ない
余っている一室のドアを開けた
後ろからみくりの両方の肩に手を置いて
耳元に口を寄せて囁きかけて来る
「さぁ、中に入るといい」
殺風景な程に 何もない部屋だった
その何もない部屋の
中央に赤い椅子が一脚
ぽつん と置かれていた
6畳 程の広さの空間に
あるのは その赤い椅子だけ
そんな 部屋だった
ゾクッと背中が震えた気がした…
室温はちゃんと調整されていて
服を着ていると暑いぐらいだが
その 室温も… きっと
「足が止まっているぞ?」
「どうして?ここなの?」
この部屋には 普段は入るなと言われているし
鍵が掛かってる部屋だったから
でも どうして 彼は
この 赤い椅子しかない部屋から
今まで 私を遠ざけて居て
椅子しかない部屋に鍵を掛けていたのかと
そして 何故 彼は
今まで 私をこの部屋から遠ざけていたのに
どうして 今日は
私をこの部屋に入れたがるのかとか
そして この彼の行動も
ヒントのひとつ…だったんだなって
でも この時の私は
それを知らなかったから
促されるままに その部屋に入った
「すまないな…」
杏寿郎がそう小さな声で
みくりに聞こえない様に言うと
バタンとその
赤い椅子しかない 部屋のドアを閉めた
ユガミノクニ
例えば その国は
この 赤い椅子しかない部屋
椅子しかない部屋で
何をすればいいのだろうか?
「ここにした理由か?」
「ベットじゃダメだったの?」
「まぁ、大した理由でもないがな。
みくり、着ている物を
全て脱いで、その椅子に座りなさい」
そう 耳もとで囁かれる
優しい声で甘く甘く
命令しているのだが
懇願する様にも聞こえる声で
「………」
スルッ…パサッ…
一枚 また 一枚と
着ている物を脱いで行くと
下着だけになった