第47章 ユガミノクニ お相手:煉獄杏寿郎+α
「君が家に来た時の事を…な、
思い出していたんだ。もう5ヶ月も
前になるんだな…とな」
無論 例にも漏れずに
彼女にも 今までの彼女に言って来た
恒例のお約束の言葉を
3ヶ月前に 彼女にも言ったんだ
その時の反応は
明らかにみくりだけは
他の歴代の彼女達とは違っていて
『俺とそう言う関係になったとしても、
俺が君にその言葉を言う事はないし、
俺が君にそれを言わせる事もないが。
それでも、俺とそうなりたいか?』
そう問いかけた時に
みくりは首が肩に付くぐらいに
大きく傾けて来て
『それは、言わなくちゃいけないの?』
『言われたい物じゃないのか?』
『私は、言って欲しくない。
分からないから。それを言われたら、
こっちも言わなくちゃってなるから』
『なら、問題にはならんな。
君とは長くやっていけそうだ。みくり』
こうして みくりと恋人同士になって
今で 3ヶ月だ
世の中には 数年も付き合ってるとか言う
息の長いカップルが居るらしいが
俺の最初の約束を守れない女が多くて
その度に 別れていたから
正確な付き合った人数なんて
俺自身も憶えて居ないのだが
後 付き合う様になってから
当然 したのだが…
驚かされてしまった 正直な話
所謂 清楚系ビッチ…と言うのも
過去の女の中に数人居たのは居たが
それとも 彼女は別格だった
だがその原因もすぐに分かった
彼女自身が あの言葉を
言いたがらない 理由と
聞きたがらない 理由が
そこにあったからだ
ユガミノクニ
俺が歪んでいる様に
また 彼女も 歪んでいた
ユガミノクニ
きっと その国は
この部屋の このダブルベット
「みくり」
そう名前を呼んで 手を頬に添える
そのままキスを瞼に落として
みくりの身体を抱きしめながら
唇を塞いだ
シルクのシーツの波間で
みくりの白い手が
行き場を求めて彷徨う様は
シーツの海で泳いでいるかの様にも見える
「はぁ、んんっ、ぁあ、…んン」
まるで 泳いでいるのに
息が上手く出来ずに
シーツの海で溺れる魚になって行く
溺れているのは快楽になのか
それとも お互いの歪みに…なのか?
ユガミノクニ