第15章 バンバンジー
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「…昼食べた? おれ今からなんだけど」
台所でごそごそしながら研磨が聞いてくる。
「お願いしまーす」
「ん、テキトーにしてて」
「おかまいなくー」
ゼリー飲料とカロリーメイトとフリスクで食事済ませやしないか、って
多少気掛かりな時もあったけど、
研磨はそれなりに自炊して過ごしてる。
穂波ちゃんが渡米する前に、
1週間持つくらいの作り置きをしてってくれたから、
そのあとインスタントに走る流れにならなかったみたいなことを前に言っていた。
できることしよう、
できなくても商店街で惣菜買おう、肉屋でコロッケ買おう、みたいな。
そうこうしてるとメシができたと研磨に呼ばれる。
色々感慨深くなるポイントは、
2人が出会った頃からずっとあるんだけども。
これもまた感慨深いっすねぇ……
「…お、なにこれうまそ」
「うん、今朝もらった」
「…今朝、もらった?」
水餃子、棒棒鶏、大根の中華漬け、中華風コーンスープ。
「…あ、クロごはんいる? チンすればある」
「あ、もらってもいいなら食いたい」
「ん、そこに入ってる」
「……こっからはセルフってことね」
とかぼやいてるうちに、いただきまーすと呟いて
俺のことなんてお構いなしに食べ始める。
「…で、もらったってのはこの水餃子?」
「うん、めっちゃうまい」
「………」
もうちょい情報欲しいけども。
めちゃくちゃ美味しそうだからとりあえず俺も、一つ口に放り込む。
「……うっま。なにこれ、うっま。手作り?」
「うん、手作り」
「誰がくれんだこんなの」
「近所に住んでる中国人の家族」
こりゃまた突きたいとこだらけな流れ。