第12章 Hi!
ー穂波sideー
じっくりと嬲るように、
まるで美味しいものでも味わうように。
丁寧に緩急も強弱も全てちょうど良く効かせて。
研磨くんがわたしの身体に触れていく。
胸元まで戻ってきて、
ブラに触れるか触れないかのところで、研磨くんが心臓の音に触れて。
それはもうほんとにどうにかなっちゃってるとしか思えないほどにどくどく言ってるから
改めて言及されると一層恥ずかしくて、
それからそんなわたしを研磨くんがあの、表情で。
あの瞳で見据えるものだから、たまらなくって目を背けた。
「隠しちゃだめ」
『…無理』
「…なんで」
『いいの』
「…ふ 」
まぁ、いいやって言うみたいに研磨くんは小さく笑って、
それからブラ越しに胸を触り始めた。
敏感なところが布に擦れて焦ったくも気持ち良くて、
身体が、腰が、勝手に……
「…浮いてる。 欲しいの?」
『…ちがっ』
「なんで否定するの。ほんと今日の穂波、」
ブラをずっ っと下にずらして露わになった突起を指で摘む
『ひぁッ……』
「犯したくなる」
そう言い放つと、丁寧にやや乱雑に、
胸を揉みしだきながら舌で突起を刺激し始めた。
それからしばらくすると片手は腰へと這っていって、
布漉しに数回撫でると、ショーツをずらした。
むわっとしたそこに、少しひんやりとした研磨くんの指が触れて、
『やっ… やめて、お願い』
なぜかやっぱりとても怖くなって、
思わずわたしは研磨くんの腕を掴んでその動きを制していた。
目にはなぜか涙が溢れてきて、こぼれないように瞬きをしないで研磨くんを見つめた。
…そんなことするのは、研磨くんを拒否するのは、それだけは本当に初めてで。
「…すご。 ねぇ、おれやさしくするなんて言ってないよね?
優しくしたけど、そんな約束はしてないし、それに…」
『………』
「穂波、おれのしたいようにしてって言ったよね?」
ハジメテ、という設定を受け入れてはくれているけど、
所詮初めてではないこの状況で。
研磨くんはこんなわたしを心配するどころか、
楽しそうに見遣ってそう言いはなった。