第10章 梅と
ー研磨sideー
『研磨くん、2日間もありがとう。
それから今日もありがとう』
布団でころころしながら穂波がおれを見つめて言う。
「…ん 穂波もありがと」
『…大会はどうだった? 楽しかった?』
「あ、うん。 そういえば、ちょっと穂波に読んで欲しいメールがあって」
『…? うん、明日でいい?』
「うん、明日でいい」
オランダの人からメールが来てた。英語で。
内容はざっくりいうと、チーム戦に一緒に出ないかみたいな感じ。
無所属のゲーマー5人で、チーム作って。
年末にある、賞金15億は超えるだろうって言われてる大会。
プレイヤーが課金すればするほど賞金額があがってくから、まだ未定なんだけど。
細かいとこも自分で読まないとだけど、ちょっと手間省いてもいいかな、とか思って。
穂波に一回読んでもらってから返事する。
「…そうだ、宮城。 いつ行く?」
『研磨くんも予定真っ白なんだもんなぁ、いつ行こう?
お盆の頃に、夏祭りもあるしそれくらいもいいなぁと思いつつ』
「うん」
『すると帰ってきてほんとすぐ渡米になるしって考えちゃってる』
「ん。 おれはどっちでも。 穂波と過ごせれば夏祭りでも、そうじゃなくてもなんでもいい」
クロが送迎会の日程組みたいとか言うから。
ちょっと、外せない用事はちゃんと把握しとかないと。
.…いろいろ名前あげてたけど、どのくらい声かける気なんだろ。
7月も、もう終わる。