第7章 su casa
ー研磨sideー
9時頃に到着して。
段ボールを各部屋に持ってってるうちに、家電を積んだトラックが来た。
テレビとかは設置できるから…っていうか設置はどれもできるけど
運んだりするのを頼みたいから、洗濯機とか冷蔵庫とか大きいものは設置まで頼んだ。
『家電が入ると一気に生活色がでるね』
「ね、きっといろいろ細々した足りないもの出てきそうだから」
『うん、今日引っ越しにしてよかった。まだ大学始まるまでに2週間以上ある』
「うん。 なんか思いついたことあったら携帯とかにメモしといてね」
『うん、覚えとく』
「………」
覚えておけないから携帯にメモしておくんだけど。
そうすること自体を覚えておこうとするとこになにも言葉が出てこなかった。
穂波っぽいけど。
『ねぇ研磨くん』
「ん?」
『あとでゆっくり仕事部屋とゲーム部屋見たいナ』
「あ、うん。ゲーム部屋はまだ全然…」
パソコンの方もまだ、パソコン届いてないけど。
エアコン設置の立ち合いでこっちに来た時に合わせて、
パソコン用のデスクとか椅子も配送してもらって、
Wi-Fiも繋がるようにして、あとはパソコンだけって状態。
そのデスクとかラグとかが無印のじゃないから穂波が知らないやつで。
さっき部屋をチラッと見てからわくわくしてるみたい。
そうこうしてたら無印から家具が届いて。
それぞれ部屋まで運んでもらう。いろいろ、大掛かりで見てて面白い。
開梱までしてくれて。ゴミも持って帰ってくれて。助かるな。
大まかなとこに置いてもらって細かい設置はこっちでできるから。
クロたちと一緒にあっちに置いたりこっちに置いたり、いろいろ。疲れる。
けど妥協したくない。
『研磨くん、パソコンも届いたよ』
「あ、うん。玄関に置いて貰えばいいからサインしておいてもらえる?」
『はーい』
設置は自分でできるから。
…ていうかおれの荷物を穂波が受け取るのとか… なんかじわじわ嬉しいかも。 変なの。