第7章 su casa
「一応大きくわけて3つあるんだけど…」
店の人がデッキの種類を説明しかけたとこで取材の人たちが到着したみたい。
スケボー関係の人たちだし、店の人も顔見知りっぽい。
「…挨拶とかいいから、このままやらない?」
「いや挨拶は大事」
「でも今ちょうど研磨にコウさんが説明してたとこ」
「説明始めた、とこ」
「まぁ、それでいこっか!研磨くん、今日はありがとねー。いろいろはおいおいで!そのまま続けて〜」
「………」
ストリート、クルーザー、ロング。
ストリートはカズマとか穂波がいつもやってる、いわゆる、普通のやつ。
そっちか、クルーザーかってことらしい。
理由はクルーザーは移動手段として考えられたやつで。
速さ、あと持ち運びの際の軽さとか、そういう点。
でもトリックはほぼできない。
「オーリーとかウォールスライドとかは全然できるよ、クルーザーでも」
ウォールスライド?
壁をスライドするの?
「障害物があって、狭くて通りにくい時とか、横の壁すーって滑ってけるからいい。
オーリーで超えれるなら別にその障害物とんじゃえばいいけど。
移動手段として使うならウォールスライドはできるといいと思う」
「…へぇ」
「研磨はさ、キックフリップ一発で成功させたんだよ。
プッシュもオーリーもショービットもやってない…ていうか初めてスケボー乗ったのに」
「…まじ?なにそれどーゆーこと?
それを聞くとやっぱストリートを勧めたくなるけどなぁ…」
「…んーああいうの、興味なくはないけど、見てるだけでいいかなって思うし
たまに見た時にやりたくなったら借りてやるくらいでいい」
「あぁ研磨くんはもう、クルーザーで心決まってる感じだ 笑」
「…ちぇ」
「どうせすぐカズマいなくなるし。教わる人もいないから…とりあえず移動手段として特化されてる方がいい」
普通のスケボーって重いし。
軽いのはおれの用途ならかなりポイント高い。