第7章 su casa
ー穂波sideー
2014年3月3日(月)
音駒高校卒業式。
「あー終わっちゃったぁー」
「でも遊ぶから!ね、絶対遊ぶから!」
卒業式を終えて最後のHRを受けるべく各教室へ移動してる最中。
芽衣に綾乃、それからひかりと歩く。
違うクラスだけど、渡り廊下で待ったりして示し合わせてはないけど、合流した。
「穂波アメリカ行っちゃうし〜」
『遊びきて♡』
「まずそれまでたくさん遊んでよー 穂波完全フリーな数ヶ月じゃん〜」
『うん!』
「いやでも通い妻にいそしんで、わたしたち放っとくのやめてよ〜」
『通い妻はしない… 束の間の同棲だもん』
「高校卒業のタイミングで同棲とか普通、それ大丈夫〜ってなるけど」
「1ミリもそんなの浮かんでこないこの2人」
「国立かぁ〜 長閑で2人っぽいよね〜 海がないのが穂波味欠けるけど」
「穂波味 笑」
「でもすぐ免許取りに行くんでしょ?」
『うん』
「結局合宿にしたの?」
仙台とかで2週間の車校合宿もいいかなって思ったけど。
海にはカリフォルニアでもたっぷり入れるし。
研磨くんと過ごせる2週間の方がずっとずっと比重が大きかった。
『ううん、立川の車校に通うことにした』
「そっかそっか。 じゃあ本当にたっぷり、同棲だ」
『まぁ、宮城のおばあちゃん家にも行くけど… 研磨くんも一緒に行けたらな〜とか』
「いつのまにか結婚してたとかやめてねー 穂波肝心なこと話さない上に、連絡不精だから」
『けっ 結婚!? そんなの早すぎ… びっくりしたぁ』
「2人を知ってる人間で結婚って言葉に驚くのは本人たち2人だけだと思うけど」
「ねー、卒業してそのまま、とか全然想像つく」
「いやでも孤爪くんはかなり考えてる気がするけどなぁ」
『めっ芽衣、何言ってるの』
「きっと結構考えてるよ。タイミングを見計らってる、って方がしっくりくるか」
「おーいお前ら!最後のHRなんだからいい加減教室に入ってこい」
教室前の廊下で喋り込んでたら、
芽衣のクラス… 研磨くんのクラスの担任の先生に声をかけられる。
じゃ、またとか言ってそれぞれの教室へ入る。