第2章 ふたり
返事をする前に、聞いておくべきことは…
『日程を教えてもらっても良いですか?』
「あぁ、7月20、21日と8月24、25日のどちらも土日だ」
8月に2週間カリフォルニアへ行くけど、被ってないな。
『はい、去年のように土曜の夜は抜けることになるかもしれませんが…
ちょっと生徒さんと保護者の方と相談して、他の曜日に振り替えれるかやってみます。
あともう一つ、今年はわたしの仕込みに誰か一人がっつりついてもらいたいな、とか…』
「…そうだよな。じゃないと来年、困るしな」
『別に音駒の子じゃなくても、他校の子でも誰でもかまわないので』
「わかった。 …それでつまり」
『はい、お声かけてもらえて嬉しいです。やらせていただきます。よろしくお願いします!』
「あーよかった。正直断られたらどうしようかと思った。
研磨には無理強いはしないでって冷静に凄まれるし」
『…笑』
…でもあれかな、既製品とか上手く使った方がいいかな。
いやでも使わないでできるなら、使わないでやりたいけどなぁ。
「…去年の感じで、今年もやってもらえたら嬉しい。
去年の感じでやってもらって、それをベースに来年自分たちで考えてすれば良いんじゃないかと。
料理のことはそんなに詳しくないけど、世のお母さんたちだってそうやって、
自分に合わせていろいろ選択してるんだろうからさ」
『…お母さん。笑 みんなはまだ高校生ですよ』
「運天もな!」
『あはは、異論ないですw』
「まぁ、そんな感じで。
あの流れとか献立の組み方とか…
そういうの伝わるだけでも、次に活きてくるだろうから」
そっか、そういうことなら。
一緒にやってれば、どうにかなるかな。
『あ、あと、わたし仕込み以外のこともなんでもするんで、
そのつもりで組んでもらって大丈夫です。
でもまぁ、大事なマネのことはマネさんが覚えた方がいいから、ほんと、雑用なんでも』
「…おー、じゃあ考えておく。影山のストレッチ補助にまた回されるかもな 笑
影山御用達トレーナーになりつつあっただろ、去年」
『あはは、あの影山くんに指名されるなんて光栄すぎて… 今年も選ばれると良いのですが』
なーんてふざけたことを言いながら、時間が過ぎてく。
そっか、みんなにまた合宿で会えるのか。嬉しいな!