第6章 リレー
ー研磨sideー
「穂波ちゃん、烏野からは何もらったんだ?」
リエーフが数個向こうの席から大きな声で、穂波に話しかける。
あとで、聞けばいいのに。
そんな離れたとこからわざわざ大きな声出して聞く意味がわからない。
…今に始まったことではないけど。
『…あ あのね、あのね研磨くん!』
「え? おれ?」
「え!なんで研磨さん!」
『あーごめん、リエーフくん、あのね、リエーフくんも研磨くんもね、あのね』
「…笑」
あのねっていっぱい言ってる。 …かわいい。
『仁花ちゃんがね、手紙にイラスト?なんだろ、
紙にペンでデザインを施して便箋にしてね、手紙をくれたんだけどそれがすごいの!
ほんとに、ほんっとーにすごいの! ちょっと、んとね、あとで見せるね!』
「…笑 うん、あとでゆっくり」
「それで!何貰ったのー?」
『あ、んとね、それがまたハイセンスで……』
「なになに?」
『蛍くんと相談して決めたって言ってたの、仁花ちゃんがね、さっき。
蛍くんが、いろいろ話してくれたって、ありがとう、蛍くん。
ううん、山口くんも、影山くんも、翔陽くんも。みんな本当にありがとう。
ずっとずっと使うからね、いつか遊びにきてね』
「…笑」
全然、リエーフの質問に答えないな。笑
「おー!月島がスプーンとかとか言い出した時は意味わかんねー!って思ったけど、
谷地さんにいろいろ説明聞いたら確かにって思ったし、穂波ちゃんぽいなって思った!」
「うん、ツッキーはほんといつも的を得てるんだよね。さすがツッキー!」
「うるさい山口」
「ごめん、ツッキー…」
「その、メーカーとかは僕は全然詳しくないから、谷地さんが見つけてきてくれて。
画像僕らで確認して、すごく良さそうだったからそれにした。だから僕が言ったのはただ…」
月島が口籠る。