第6章 リレー
「いれただけなのに… かわいすぎ」
そう言って研磨くんは、優しく、でも容赦なく腰を前後に動かし始める。
自分本位なやつじゃなくて、あくまでもわたしが気持ちいいことを、
知ってか知らずかしてくるから、それはつまり、ほんとに容赦ない。
こんなにも身体の相性がよくって且つ、研磨くんがテクニシャンすぎるから。
…ちょっと休憩ができたら、とりあえずやり過ごすような時間があれば、
だなんて、不埒でわがままな考えが一瞬よぎる
でもそんなの、現実にはあり得なくって。
…贅沢な悩みだと思う。
気持ちよすぎて休めない。
甘いも辛いも、受けも攻めも、激しめも優しめも、
まったりもがつがつも…… どれもこれも気持ちよすぎて…
なんなら挿入されてるだけで気持ち良くって… 休憩がない
快感に流されるように浸りながらそんなことをぼんやり思ってると
背中にチリリと痛みが走る
少しして、首筋にも
「穂波、余裕だね」
あなたこそ、と言いたくなるような涼しい声で研磨くんが囁く。
背中にぴとっと身体をくっつけ、胸を弄りながら。
それでも確かに、わたしの身体で研磨くんの身体が悦んでるのが判るから。
その声にすら、言葉にすら、きゅうとわたしのナカが締まる。
「…ッちょっと」
『…んっ んぅッ……』
「何考えてたの?今何考えてるの? …きっつ」
きついと言いながらも、背中に、肩に、
唇や指で優しく触れながら、腰を動かし続ける研磨くんにまた、一段と深く堕ちていく。
『研磨くんッ イッ… イっちゃ……』
「…ん、いーよ いいけど……」
『…あっ アアッ…… 』
「おれ、待てないよ?」
身体に電気が走ったみたいになる
ビクビクと身体が震える。
足はつんとして、それから頭はよくわかんないけど眩しい。
目が眩しいじゃなくて、頭が眩しい…
くたぁと重力に任せてベッドに沈みそうになるわたしの上半身を、研磨くんが支える。
…というより、腕を引っ張られて上体を起こされる。
ぐっとさらに奥に研磨くんのが当たって、身体が弓なりにのけ反る。