第5章 hotdogs, layer cakes & parfeit
ー穂波sideー
バスに揺られながら今日のことを思い出してたら、
鞄の中で携帯が鳴った。
【また電話ちょうだい】
研磨くんから。
【うん!今ね、バスの乗ってるよ。白鳥沢に向かってる】
【おれも今電車】
【研磨くん、部活お疲れさま♡】
【ん、烏野どうだった?】
こんな風に研磨くんとチャットっぽくなることってあんまない。
東京にいる時はほんと、要件だけだし、海外にいても大体電話だし、
こうして電話できないとこで同じタイミングで携帯を手にしてって。
初めてかも。
【烏野いいとこ。とても良いよ】
【ん、よかったね】
【蛍くんと過ごした時間も結構いろいろあって面白かったからまた聞いてね】
【うん、楽しみにしてる】
【あああ…電話したいよぅ】
じゃあね、って流れなのかもしれないけど。
そんな流れ、自分の中にはなくって作れなかった。
【おれも。でもこれからまた人と会うもんね?だから、また】
【うん。我慢】
【ん。じゃあ今日あったことひとつだけ聞かせて】
…んー何が良いかなぁ
【蛍くんがわたしと研磨くんにおすすめアニメ教えてくれたよ】
【へぇ、なに?】
【進撃の巨人っていうやつ、4月から始まったんだって。原作は漫画って言ってた。しってる?】
【漫画は読んだことないけど、何となく知ってる】
【また一緒にみてみようね】
【うん、見よ。見たいのいっぱいだね】
ほんと、一緒に見たいドラマとアニメがちょっと増えてきて。
SUITS、ぼのぼの、孤独のグルメ、それから進撃の巨人。
一緒に見たいってのが強すぎて、
研磨くんがいないときは同じとこ見るか他のもの見るから、
ちょっとずつしか進んでいかない。
【ね、一緒に住める日が楽しみだな】
【ん。だね】
住んだら一緒に観れるわけじゃないかもだけど。
しかもその前にアメリカ行くって言ってるわたしが何を言ってるんだって感じだけど。
楽しみは楽しみだもん。