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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第5章 hotdogs, layer cakes & parfeit


ー月島sideー





7月26日(金)
一日練習。








夕方に練習を終え、学校の傍で待ってる兄ちゃんの車に乗り込む。
穂波さんを家の近くの駅まで迎えにいくためだ。








「あー穂波ちゃんに会えるの楽しみ!」

「………」

「でも大胆だな、泊まってけって」

「…まぁね、想像を軽く超えてくるから、いつも。僕も感覚おかしくなってるのかも」

「でもスノボの時もそうだったけどさ、
当事者だけじゃなくて周りもオーケーな感じになってくのがお前らの力?みたいなのなわけ?」

「いや…それは違うかな」

「…あーそっか、蛍のじゃないか」

「そうだね、これは完全に穂波さんの時空みたいなのだね」

「そうだよな、じゃないとそもそも蛍がわざわざ彼氏持ちの女の子を実家に泊めるとかしないよな」

「…だね」

「しかも蛍変わったな!みたいな感じじゃないのが、すげーよな」

「あぁ、確かに」

「蛍はいつも通りの蛍なのに、あれ?みたいな。だからか、周りも普通になっちゃう的な」

「無理がない」

「え?」

「穂波さんの周りには無理が、ない」

「あー… なんか、言ってる意味はわかるよ」

「………」

「すごい子に出会っちゃったね。蛍が結婚できるのか心配になってきた」

「兄ちゃんうるさい」

「…ごめん」








それは、まぁ僕も思う。

こんな風に好きになってしまうと、
僕ってこの先どうなってくんだろう。

幸せな片想いってまずくないか?と思う。

しかも、同志がちらほらいるようなのがまた、まずいとかいうか、変な感じだ。

でも仕方ない。仕方、ない。

今は会えるなら少しでも会いたい、ただそれだけだ。









「お、いたいた。すぐわかるね」




兄ちゃんが車を停めるタイミングで助手席の窓を開けて手を振ると、
穂波さんは小さく手を振って小走りでこっちにくる。




「久しぶり!どーぞ、乗っちゃって。 あ、蛍も後ろ行けば?」




兄ちゃんの言葉にそれもそうだな、と思って、
一度降りて穂波さんの隣に座り直す。










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