第5章 hotdogs, layer cakes & parfeit
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遊児が帰ってきて、つくねを捏ねたり、
お肉やネギを串に刺したり。
バットに乗せてお庭に持っていく。
おじいちゃんの晩酌にもちょうど良いかな。
蚊取り線香を焚いて、
遊児と2人で枝豆を食べながら、ぼちぼち焼き鳥を焼く。
音楽もほどほどの音量でかけて…ってしてたら、携帯がなった。
研磨くんだ♡
『もしもし!』
「…あ、穂波。今何してる?」
『今ね、今ね!焼き鳥焼いてるんだよ、七輪で』
「…ふ いいね、おれも食べたい」
『うん、また一緒にしようね』
「うん、しよう」
『今はね、焼き鳥待ちでね、枝豆つまみながらまったりしてるよ』
「…ふ 笑 ビールは飲んでない?」
研磨くんが可笑しいな、って思ってるのが伝わってくる。
声がちょっと震えてて。
きっとおじさんっぽいな、って思ってる。
『へ?ううん、飲んでないよ。おじいちゃんは飲むかなぁ、ぴったりだよね』
「わかんないけど、ぴったりなんだろうなってことは想像つく」
『あのね、今日ね……』
山で出会った人の話をした。
そしたら、研磨くんもその人のTwitterを見てたんだって。
クロさんから送られてきたって。
結構、拡散されてるって言ってた。
Twitterやってないからその辺はよくわかんない。
でも、その人のお父さんがあのたぬきの作者さんだって知って、
電話したくなった、って言ってくれた。
って言っても、研磨くんはそれを見てから家に帰って、
シャワーを浴びてってしてからの電話。
衝動的ではないそれが、逆に沁み入る。
長野、いつか一緒に行こう?って言った。
うん。おれも、あの動物好きだったって。
そんな風に電話で話して、
遊児が変われーって言って。
少しだけ遊児と研磨くんがお話しして。
焼き鳥も焼けるから食べよっか、ってなって。
またね、をするところで研磨くんが
「あ、ピーマンは用意した?」
って言った。
『ピーマン?』
「あ、ていうかつくねはあるの?」
『つくね… ピーマン… あっ!ある!』
研磨くんの言ってる意味がわかって、多分ちょっと声が大きかったと思う。
研磨くんは、ふって笑って、じゃあまた電話するねって言った。