第5章 hotdogs, layer cakes & parfeit
冷たい川の水ですっかり冷えた身体を、
あったかい岩に寝そべってあっためる。
スイカなんて食べてられないほどに今は、寒い。
ここは森の中で、そんなに日差しも強くないし、だいたいこうなる。
さっとタオルで拭いた身体に、
水着はそのままでワンピースを羽織る。
白いロング丈のワンピース。
背中が空いてるやつが好きで、つい選びがち。
ワンピース自体も薄手で乾きやすいから、
濡れた水着の上から着ても、すぐ乾く。
「穂波それ逆にエロい」
『へっ!なんの話?』
色っぽさなんて皆無で、
岩にごろごろくっついていたのにそんなこと言われて拍子抜けする。
「そもそも岩に身体擦り寄せてんのがえっちぃのに、
ワンピース白いし薄いから透けるし、背中は見えるし、エロい。また勃ちそう」
『…ありゃま、じゃあ脱ごっか』
「いやいーよ、俺しかいねーし。勃ったら次はどうにかするわ」
『えっ?どうにかって?』
「なんでもねーべや!」
それから遊児と夏休みなにするかとか、
こっちで会える日なにしようかとか、話した。
明後日は泊まりで蛍くん家。だから明明後日は烏野高校にお邪魔する。
それからその日の夕方に部活後の白布くんと会う。
そうなってくるとあと数日しかなくって、
でも遊児はおばあちゃん家に泊まるわけだから、一日中遊べる。
お母さんたちも合流するし、サーフィンはマスト。
それからやっぱ散歩はいっぱいしたいし、お祭りも行きたいねとか。
あと、七輪で焼き鳥しようって話になった。
今日のそれがあったからかな、遊児が提案してくれて。
そしてそしてそれから… 滞在中毎日、お茶のお稽古はマスト。
これもまた、遊児とわたしの当たり前の時間で。
きっと今日も、この後お着物を着て、お茶のお稽古だ。
くったくたで、遊児は座ったまま寝ちゃうんじゃないだろうか。
いやもしかしたらわたしも… って思うと小さい頃のお稽古を思い出して笑ってしまう。
「スイカ食えそう?」
『スイカが常温になってれば食べれそう』
「うん、常温だべや」
スイカをシャリシャリと食べて、種を飛ばして。
それからやっぱり2人手を繋いで、おばあちゃん家まで帰った。