第44章 その琥珀糖の味は… ※R-15
今は時間があまりないからと言う意味で
杏寿郎は言っているんだろうけど
正直声を殺すのがこんなに辛いなんて
思いもしなかった
「杏寿郎…、その時はっ、んんっ
声は…ふぁ、ん、殺さなくても?」
「その時は、人は払うから存分に…だな、
俺も、君のその可愛らしい声が聴けずに
物足りないと思って居た所だからな」
僅かにだけ漏らす
遠慮の塊の様な控え目な喘ぎでは
物足りなさを感じてるのは
俺自身でもあるので
存分に彼女が乱れる様を見たいと
思わないでもないが
こっそり忍ぶのならそれもそれで
悪くないと思う自分も居て
腰骨を掴んでいた手を
そのまま太ももの方へと滑らせて行って
膝まで撫で下ろすと
スルッとその手を
あげはの太ももの内側へと
滑り込ませれば
ビクッと彼女が
身体を大きく跳ねさせるので
声を漏らさない様に
太ももを撫でていない方の手で
その口元を押さえている手の上から
その手を払いのけるて除けさせ様とすると
声が漏れるのを気にしてなのか
目に涙を浮かべながら
自分の口を強く押さえて
あげはが首を
左右に振って拒んで来るから
ゾクゾクと背筋の辺りが
震えるのを杏寿郎は感じていた
一層の事 それを
その口から漏らさせてしまいたいと
そんな考えが自分の中で膨らんで来るから
全く持って末恐ろしくもあるな
内側の太ももを撫で上げて行けば
ギュと身体に力が入っているのが分かるし
その部分に触れられまいとする
健気さに心を打たれそうにもあるが
その部分には直接触れないとは言ったが
「んんっ、ダメ…それ以上…上はっ」
正直今の手のある場所も
かなり太ももの根元に近い
際どい部分まで 杏寿郎の手が来ていて
「そう、ここを締め上げても
俺の手の感触をそこで
感じ取っててしまうだけだろうがな。
あげは、
直接触れないのならいいだろう?」