第33章 たった一つの揺らぐ事のない
だが 満たされて行くのと
それと同時に もっとと欲が湧いてきて
そして 飢えて行くのだから
全く持って厄介な感情でも あるか
だが…… それすらも
心地いいと感じてしまっているのだから
俺の方も 俺で……
どうしようもない…
男になっているのかも知れんな
「あげは……、
少しだけ…なら良さそうか?
今の…可愛らしい君を、
俺はもっと堪能したい所だが…?」
目の前に居る 存在を
愛したいと 可愛がりたいとそう思う
その自分の中に起こる感情を
欲張っても少し位なら 許されるのかと
そう彼女にお伺いを立てると
「で、でも……。
声が…漏れちゃ…う、んっ。
それに少しじゃ…、堪能と言う言葉には
程遠いのでは……?んっ、ふぁ」
「既に声なら、
漏れているようにあるが?
本当に…、
君は……可愛らしいな。あげは」
「やっ、…言ったら、ダメ……。
杏寿郎に、可愛いって
言われちゃったら…んっ」
可愛いと言っただけで
そんな風に身体を震わせる
その姿を知っているのだから……
言いたくもなってしまうが…な
「あげは。…可愛いな。可愛い」
「ちょ、やだっ。
言わないでって、言ってるじゃ…」
「そう言う君も、可愛いがな?」
そっと その頬に触れると
お互いの視線がぶつかる
「俺に…、
そう言われたくはないのか?
そう言われて嬉しいとは、
君は全然感じないのか?」
「ん、でも…、可愛いって言われたら」
「なら、好きだと…言われる方がいいか?」
「そっ、それも…ダメですのでッ」
「君は、ダメばかりだな……。
何ならいいんだ?俺は…、
もっと、言いたいがな?君に…」
俺がそれを欲張りたいと
もっと伝えたいと そう思うのは
「お許し……、願いたいのですが?
心臓が……持ちそうにありませんので…」
俺から恥ずかしそうにしながら
逸らせようとする視線を
自分の方へ向けさせたくなる
彼女がそうなって しまっている
その理由は…