第33章 たった一つの揺らぐ事のない
しっかりとその手に
俺の寝巻を握りしめながらも
それでも こちらを見る気配はなく
俯いたまま 俺と
視線を合わせようとせずに
それでいて
不安そうな面持ちをしていて
その態度……を見ていると
まるで 男を知らない 生娘とでも
これから床を共にするかの様でもあり……
まるで 10代の少女かの様な
そんな 初々しさすら
目の前の彼女から
感じてしまいそうでもあるの…だが
現に彼女は
10代の生娘でもなければ
俺より3歳年上の
立派な成人女性であり
それでいて
恋仲である間柄なのだから
当然の如く
身体の隅々まで知り尽くしている…
と言うにはまだ
語弊があるのかも知れんが
知り得る所の多くある
俺の 可愛いあげはであるのに関わらず
今夜のあげはは……どうにも
俺……の目には
いつもの彼女とは
別人の様にも違って見える
その理由は… 大凡の見当が付くが
「君は…、素直になれと言えば
素直じゃない返答になってしまうからな。
君の素直な本音が欲しい時は……
俺はどう、強請ればいいものか…。
聞かせては……、くれないか?
あげは、君がそうなってる理由を……」
そっと自分の浴衣を握っている
その指の一本一本を外して行くと
彼女の手首を支えて
手首を曲げさせると
その指先に自分の指先を
5本重ねる
そのままグッと軽く押して
それから 互いの指が交差する様に
第二関節の辺りまで絡めた
小さくその身体が跳ねるのが分かって
グッと深く指を絡ませて
握り込むと
あげはの身体が震えるをの感じた
普段から相当に感じ易い身体だが
感情が昂ってる所為か
更に感じ易く
……なってしまっているのか
俺にそれを気取られまいと
距離を取っていたのか?
いや でも…なら
自分から 俺の浴衣を握ったりはしないか
それに 先ほど
言いかけていた事…からするに
考え付く事と言えば…