第24章 町行かば ※R-15
ちらっと
宇髄が義勇の腰にある刀に
視線を向けて それから
じっと 注視する
やっぱり…… 見間違いじゃねぇな
近くで見たから
分かったが
そうじゃないかって
思ったんだが
どうして 冨岡のやつが
アイツの透真の日輪刀を?
「宇髄、…俺の刀がどうかしたか?」
「冨岡、それ。……アイツの」
「ああ、そうだ。
これは師範の、三上透真の日輪刀だ…。
なんの因果があってか知らんが、
俺の…所に来た……」
因果……
そんな言葉で済ませられるのか?
それは その因果は
お前とアイツの間にあるそれは
因果と呼ぶには 余りにも酷で
随分と冨岡にとっては……
重いはずだ
手にも負えないほどに 酷く
「随分と、重そうな日輪刀だな」
宇髄の言葉に義勇がハッとする
宇髄は…俺の気持ちを汲んで
そう言ってくれた……のか
「ああ、重いな…。
俺には少々重すぎる位だ」
義勇がそう言うと
ふっと自嘲的な笑みを浮かべた
「だが、……その刀。振れんのは、
振るっていいのは、冨岡。お前だけだろ?」
そっと その日輪刀の柄に
義勇が右手を添える
宇髄の言った言葉は
そのまま あげはに言われたからな
俺は もう 逃げない…
現実からも 俺自身からも
そして過去からも
その柄糸を撫でると
グッと力を込めてその柄を握った
「ああ。俺は鬼殺隊水柱、
冨岡義勇だからな。」
ヒュ~と宇髄が
その義勇の言葉に口笛を吹いて
「何?お前。マジで格好良すぎん?
俺が女だったら、お前に惚れてる所だったわ。
いいぜ。気に入った!お前のその心意気、
派手に最高じゃねぇかよ。
冨岡、……お前の話、乗ってやるよ」
「いいのか?宇髄」
ぐうううううっと
目の前の義勇の腹が鳴って
急に成長しやがったと
心配した冨岡の奴が
やっぱり冨岡だったと
どこか心の隅っこで
俺は安心してしまっていて
だが そうは言っても
冨岡が変わったのは事実だ
「とりあえず、飯、行くか?」
「ああ、すまない、宇髄」
「俺も……、変わらねぇとな」
そうボソッと宇髄が呟いた言葉に
少し先を歩いていた義勇が足を止めて
「宇髄?何か言ったか?」
「いーや、何にも?
あ、蕎麦、蕎麦にしよーぜ」
そう言って近くにあった
蕎麦屋に二人で入った