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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第21章 その鏡に映るのは ※R-18


私が 今 入浴すると
酒が回ってしまうのを心配して
時間を空けたいと考えているのを
杏寿郎に筒抜けてしまっていて

耳元に口を寄せられて
耳の輪郭を舌でなぞられると

「そんな所が、また、…可愛らしいがな?」

といつもにないような
声色で尋ねられてしまうと
ゾワゾワとした感覚が
あげはの鼓膜を揺らす

こういう時の杏寿郎は
普段のあの声じゃなくて

凄く凄く 甘くて それでいて
いやらしい声をしている

「君も湯が使いたいのではないか?
まぁ、使った後に、汗を掻かせる…。
いや、汚してしまうと言った方がいいか?」

「それは……
お約束しましたからっ、でも……」

あげはが俺から逃れるようにして
視線を逸らせながら
キュッと握った手で自分の口元を覆って


「今日はもう、
二度も…しました、よ?杏寿郎」

「二度も……?も、ではないだろう?
まだ、二度しかしていないが?違うか?」


運ぶかと聞かれて
どうやら彼はまた
昼間の様に私を風呂場まで
抱えて運ぼうとか聞いて来て

「結構ですからっ!歩けます……から」

差し出した手を払われて
スッと彼女が立ち上がったので

杏寿郎は一瞬面食らってしまった

あれだけの酒を飲んで
足元がしっかりしているのか

やはり彼女は 酒には強い様だな

「君は酔わないのか?」

「酔いますよ?」

「まだ、足りないのではないのか?」

飲み足りないんじゃないかと
杏寿郎は聞きたい様だったが

「あんまり、深酒したら…ダメですよ。
だって、抑えられなく…なっちゃうから」

「そうか、だったら
もっと飲んで貰ってもいいがな?」

「飲みませんからっ。もう、これ以上私を
乱れさせてどうするおつもりなんですか?」

あげはが不快感を露わにして
腕組みをして頬を膨らませる

「どうしたいか…聞きたいのか?
あまり煽ると、
このままここでになってしまうぞ?」

ここで このまま……って事は
いつになったら湯が使えるやら

それは 困るっ

いや 使っても どうせ…ではあるが
それでも使いたいのは 事実だし


そう言われて
もう一度差し出された
杏寿郎の手にあげはが手を乗せると

杏寿郎がそのあげはの手の甲に
恭しく口付けを落とす





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