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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第15章 それぞれの いとま



「俺は…彼女に……、
辛い選択を…強いてしまっていたのだな」

いや 彼女だけではなくて

宇髄にも…なのか


「煉獄」

宇髄が静かに
杏寿郎を呼んだ
宇髄と視線がぶつかる


「お前は、迷うな。お前が迷うと、あげはが迷う。
合ってるとか、間違ってるとか、
考えるな。いいな?」

「だったら、何故……話した?
話す必要が、……あったのか?」

むしろ 俺が迷うと思うのであれば
全てが終わるまで
このまま 言わないままにして欲しかった

宇髄も大概 人が悪い…んじゃないのか?

「あ、それ聞いちゃう感じ?
それは、俺が迷ってるからに決まってんじゃん」

迷ってると
宇髄は軽口で言った

言い方は軽口ではあるが
きっとこれが 宇髄の本心なのだろう


迷っている それが 宇髄の本心…


宇髄が迷っている様に

きっと あげはも迷っていて


「煉獄、この戦いは……
終わった後のが大変だぞ?
きっとアイツは、どんな結末になっても、
後悔しかしないだろうからな」

「そんな事は…、君に言われずとも、
分かっているっ!」

「俺が思うに、推測でしかない話だが、
きっと胡蝶が、一番、俺以上の答えを知ってる。
俺はそこまでは知らないからな」

ザァアアと風が吹いて
桜の花が花吹雪になって 舞って行く


「宇髄?」


「俺がお前に言いたかったのは、煉獄。
胡蝶がそれをアイツに話すのを、
お前は止めるなって事だ」


俺には迷うなと言って


彼女を迷わせる事を胡蝶が
彼女に伝えるのを止めるなと


俺に言う訳か… 成程


「宇髄っ!君は随分と…趣味が悪くないか?」

「煉獄。これはお前とアイツだけの、
戦いじゃねぇ。そうじゃなかったら、
俺は、こんな事は言わねぇよ!」


悔しいが…宇髄の言う事は 一理ある


宇髄には宇髄の

胡蝶には胡蝶の

冨岡には冨岡の


理由があると言う訳で



当事者であるのにも関わらず
理由を持たない俺は


一番 蚊帳の外と言う訳か……



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