第15章 それぞれの いとま
「はい、今日もよろしくお願いします!
煉獄さんっ!」
と炭治郎が声を張って一礼すると
さっそく昨日の指導を受けた事を
おさらいするように 素振りを始めた
それから 1000回素振りをして
まあ 鱗滝さんも 素振り1000回とかは
修行の内容にしていたので
炭治郎には朝飯前だったが
「もっと、しっかり腕を伸ばしてっ!」
今まで素振りなんて
した事のなかった伊之助には辛いようだった
「こうかよっ!」
ビュンっと伊之助の
木刀が振り下ろされるのを見て
満足そうに杏寿郎が頷いた
「そうだ、君は勘がいいな。
嘴平少年、筋がいいぞ!」
今 一瞬 伊之助の剣が
いつものデタラメな剣と違う
ちゃんとした剣に見えて
炭治郎は感心してしまった
その後 打ち込み稽古をして
その後 煉獄さん相手に
3対1で かかり稽古をしたのだが
とにかく 煉獄さんが強すぎて
子供の様に俺達はあしらわれて
地面に転がされてしまって
昔 鱗滝さんとした
転ばし祭りを思い出してしまった
「ちゃんと。受け身を取らないと、
怪我をするぞ?
どうした?もうお終いか?」
「はんっ?んな、わけねぇだろ!
行くぞ、紋逸っ!」
「えええ?俺もぅ、嫌だよぉ、休みたいぃ~」
ガンッ カン
木刀のぶつかり合う 音が中庭に響いていた
相変わらず善逸は 後ろ向きで
さぼりたい発言が多いが
伊之助に引っ張られて
何だかんだ文句言いながらも
頑張っているようだ
後 このかかり稽古は
滅茶苦茶 体力を使う
本気を出さないと煉獄さんに
手痛く返されてしまうからだ
だから こっちも
それこそ
自分の持てる力を最大に引き出して
「君達は、随分俺の怪我
に配慮してくれているようだが、
俺は柱だ、遠慮はいらんぞ?」
そう こっちに言うと
ニコリと笑った
遠慮なんか していない
俺も伊之助も善逸も
「呼吸を使ってくれて、構わないと言ってる」
「えええっーー!じゃあ、俺達が呼吸を使ったら
煉獄さんも、使うって事?」
「流石にそれは、しないがな。遠慮はいらんぞ?
呼吸を使って掛かって来なさい!少年達!!」
「だはははははっ!後悔すんじゃねぇぞ?
ギョロギョロ目玉っ!我流 獣の呼吸 参の牙っ」