第76章 深紅のバラと浅葱の蝶　※R-18

「どうしたんだ？
出来ないのか…、あげは」


求められている行動は　難しい事じゃない

杏寿郎の身体に跨ったままで

自分の膝を立てて　

両足を開けるかと言われて居るだけだ


杏寿郎に向かって　自分の陰部を
下着を付けたままではあるが
見せなさいとそう指示されてしまって

それに素直に従えないで居るのは…

自分のその部分がもう…ッ

彼が欲しくて　

ズルズルになる程濡れそぼっているからで


ふるふると恥ずかしいさに震えながらも

あげはが杏寿郎が示した　

その指示に従うと

下着の蜜口に触れている部分に…

染みが出来ているのが

杏寿郎の目には映って

フッと杏寿郎がそれを見て　口の端を曲げると


「もう、…そこに染みてしまう程…
になってしまってるのか？
随分と、今日の君は…
厭らしいんだな？あげは」

「んやぁ、見ないで…、下さい…、んんっ」

「下着の上から…、そこを擦るといい。
疼いてるんだろう？あげは。
触れて欲しい…んじゃないのか？
自分で…じゃなくて、俺の手の方が良いか？」

自分の手を
貸してくれると言う意味…なのだろうか？
自分でそうする程に拗らせるだけの熱を
彼で満たしたい…彼に満たされたい…

ふるふると
あげはが首を左右に振って来て

自分の手を杏寿郎の股間に伸ばして来ると…

スリスリとその手でここと言いたげに
硬く腫れあがった部分を
じっと潤んだ目をして俺の顔を見つめながら

撫でて来るから

その大胆な行動と

俺を求めて潤む視線を見ているだけで

自分の中にくすぶる熱を

吐き出してしまえそうな程にも感じる

「杏寿郎…の、お手…ではなくて。
んっ、杏寿郎の、逞しくなっておられる。
こちらを…私の中に…ッ
…その、…ッ、頂戴したく…あります…」

「そうか、手ではなく、俺自身を
欲しいと言う事だな？あげは」


杏寿郎が身体を起して来て
顔と顔を突き合わせると
そのまま　唇と舌を求められて
熱い口付けをされてしまう