第76章 深紅のバラと浅葱の蝶 ※R-18
自分のその部分が
硬くなって反応してるのが
彼女に知れてしまうのではと…
思わず彼女から逃れる様にして
自分の腰を少し引きたい
気分になってしまっていたが
ふぅ…と耳の中に
温かい吐息を吹きかけられて
ハァ…と熱い熱がこもった吐息の音を
自分の鼓膜に直接伝わる様にして
聞かされてしまえば
彼女も今のこの状況に…
性的な興奮を憶えているのだと
自分の耳から聞いた音で
感じ取る事が出来るから
余計に…それが
俺の劣情を煽って刺激して来るから
するすると
あげはの手が杏寿郎の頬を撫でて
「杏寿郎…、貴方の、
お目を…閉じて頂いても?」
そうあげはが杏寿郎に言って来て
俺にそうしてお礼を尽くしてくれる
彼女の姿を俺が見すぎていたのかと
そんな風にも思ってしまったが
言われるままに良く分からないままに
杏寿郎が目を閉じるとそのままその手に
目の上を覆う様にして塞がれてしまって
視覚を奪われた所為なのか…
先程までよりも自分の耳が敏感になって
その状況を知ろうとして
無意識の内に意識をそっちに全集中させていた
チロチロとあげはの舌が
耳の縁をなぞる様にして
這って来ると 耳の穴の横にある
軟骨が飛び出た部分をその舌でツンツンと
押すようにして刺激をして来て
グイっと軟膏を押し込む様にして押して来て
ぞくぞくとした感覚がそこから
耳の穴の中へと抜けていくのを感じる
そこまで 俺は…耳が敏感な訳でも無いのに…
「んっ…、ふ…、杏寿郎…」
ヌルっとその感覚を追いかける様にして
耳の穴の中にあげはが舌を…入れて来て
耳の中を舐める音が
自分の耳の中で響いて
その絡みつく舌の動きの様に
その音が鼓膜について離れない
その舌のヌルヌルとして温かい感触と
その舌に自分の耳の穴を犯されて居る様な
そんな感覚を同時に感じてしまって
ズキズキと疼く程に陰茎に血流が
集中して陰茎が膨張して行くのを感じる